宮崎市から西に20kmほどの山の中、
県のほぼ中央にある吊橋が照葉大吊橋です。
本庄川をたどるように県道24号線を進むと、
頭上のはるか上で、
山と山をつなぐ照葉大吊橋が見えて来ます。
綾町に入ってしばらくすると、
照葉大吊橋の看板が目につくようになって、
外の景色が山の中のものに変わっていきます。
照葉大吊橋の名前も、
この綾町の自然からつけられていて、
綾町には、昔から日本人が受け継いできた自然、
照葉樹林帯が広がっているのです。
照葉大吊橋は道路ではなく、
人が照葉樹林の森に入るための吊橋で、
谷底まで約140mの日本で二番目に高い橋です。
照葉大吊橋を渡った先にある
照葉樹林の森を歩くのが目的でしたが、
私たちはこの橋を渡ることはできませんでした。
橋の渡り賃300円(照葉樹林への入園料)を払って、
覚悟を決めて照葉大吊橋へあるき出した私たちの後ろから、
「ねえ」と呼び声がきこえたはずなのに、
私たちの後ろにはだれもいません。
私たちはふり返ったまま、
聞こえた声の答えを探しました。
ほかの人の話し声を勘違いしたにしては、
声は普通に話すくらいの音量で、
私たちのすぐ後ろから聞こえ…
声を聞いたのが一人だけなら気のせいにできるのに、
全員が聞いておいて気のせいなんて言えるわけがありません。
県道24号線から吊橋を見上げて、
吊橋のあまりの高さに、
思っていたより怖そうだと思っていたのもあって。
私はこれは何かがヤバイと強く訴えて、
私たちは吊橋を渡らずに帰ることになったのです。
そうとうな高さのある場所で、
この場所から落ちた人の霊という話があるし。
説明がつかないことがおきても、
どこか納得できるほど説得力のある、
古くからの自然が残る場所です。
私たちの聞いた声の正体はわからなくても、
そういうものだと納得するしかなさそうです。
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