加美郡の薬莱山(やくらいさん)のふもと、
キャンプ場のあるレジャー施設、
大滝農村公園にある滝が荒沢の大滝です。
薬莱山は神が住む山として信仰されている山で、
荒沢の大滝はかっての修行場でした。
修行は滝の前にある岩に座り、
滝の音を超える声で真言を唱えるというもので、
このとき滝の正面には薬莱山が見え、
修行者は薬莱山を背負って滝に向き合っていました。
薬莱山の威光を借りて滝に向かっているようにも見えますが、
荒沢の大滝には水神がいるということなので、
修行者たちは薬莱山の力を借りなければ向かい合えなかったのかもしれません。
いつのころかはわかりませんが、このあたりでは水不足になると、
水神に雨を降らせるためにネコを滝に沈めていたそうです。
この水神はネコがキライで、滝にネコを沈めると
水神が怒って雨を降らせるといわれているようです。
映像関係の仕事をしている知り合いから聞いた話なのですが、
写真撮影のために夜明け前に荒沢の大滝にたどり着き、
滝から立ちのぼっていたモヤを、
機材を準備しながらなんとなく見ていたら、
一塊のモヤがスーッと滝に戻っていったのだそうです。
まだ頭が起きていないのかなと思いながら撮影を始めたのですが、
カメラの電源が急に落ちたりして、
その日の撮影はいつもとは様子が違っていました。
この日の撮影が普通ではないとわかったのは、
仕事場に帰って撮影した写真をチェックしていたときでした。
荒沢の大滝で撮影した写真の中にあった、
滝の上に架かる赤い橋に、
こちらを見ている影が写った写真があったのだそうです。
写真は処分されていたので、私は実物を見てはいませんが、
知り合いの話だと、部屋の中なのに
全身に鳥肌が立つぐらい気配が濃い写真だったようです。
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