その山から松島湾が一望できることから、
松島の景色はすべて富山にあるとまで言われ、
麗観とも呼ばれているのが富山(とみやま)です。

富山は壮麗な景色を眺めるだけではなく、
山頂には大昔に建てられた真っ赤な観音堂があり、
古くから信仰を集めた場所でもあります。

これは後で知ったことなのですが、
富山観音堂の近くで首を吊った人がいて、
富山観音の近くでは首を吊った人の幽霊が出るのだそうです。

県道27号線から看板を目印にして富山に入り、
数台分の駐車スペースから石階段を登るのが参道になります。

駐車スペースから林道が延びていて、
その林道を使うと車で観音堂のすぐ近くまで行けるらしいのですが、
狭い上にガードレールのない崖を通るということなので、
こちらは使用しないほうがいいと思います。

富山はJR陸前富山駅の北にあり、
地図を見ると山頂まで距離があるのは分かりましたが、
当時車のなかった私たちは歩いて富山に行くことにしました。

展望台から眺める松島湾の景色は素晴らしいもので、
ここまで来るのは疲れましたが、
それだけの価値は十分にありました。

事件が起きたのは帰りの石階段で、
一緒に行った友人が足を踏み外して
石階段でコケてしまったのです。

なんとなく後ろが気になって振り返ると、
人間ぐらいの大きさの何かが石階段を横切るのが見えて、
驚いて足を踏み外したのだそうです。

友人がお尻を打ちつけたという笑い話だったのですが、
首を吊った人の幽霊が出ると知った後では、
コケ方次第では大ケガをしていたかもしれませんし、
笑えない話になってしまいました。

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