津市美杉町のJR伊勢竹原のすぐ近くには、
春には桜が咲き乱れて湖面を彩り、
秋には紅葉に染まる君ケ野ダムがあります。

これは君ケ野ダムにボートを浮かべて釣りをしていると、
ダム湖に沿うように通っている国道29号線のすぐ上に見える、
山の中にある廃旅館の霧山城についての話です。

釣りを通して知り合ったAさんを君ケ野ダムへ誘ったら、
霧山城がある君ケ野ダムには絶対に行きたくないと、
Aさんが話してくれた出来事です。

霧山城には客同士のトラブルが事件にまで発展したというウワサがあり、
Aさんは友人たちと霧山城へ肝試しに行ったのですが、
霧山城へ登る場所まで着いたら急に友人の一人が怖気づいたそうです。

変な感じがするから、もうこのまま帰ろう」
「なんかおかしいって、急に寒くなるし」

山の中でダム湖が近いから涼しいのは当たり前だろうと、
乗り気ではない友人に大丈夫だと言いながら、
手をひこうと腕を掴むとその友人の体は冷えきっていたそうです。

夜の雰囲気に怖気づいたのではなく、
体調が悪いのかと心配になるほどでした。

Aさんたちも様子が変だなと思い始めていましたが、
友人が体調不良ではないとむきになったこともあり、
建物の近くまで行って帰ろうということになりましたが。

どのみち建物の入り口は木の板でしっかりと塞がれていて、
旅荘 霧山城』と書かれた看板の残る建物を見るだけだったようです。

建物につくとAさんが入り口の看板を確認して、
ここで間違いないと友人たちの方へ振り向いたら、
帰ろうと言い出した友人が膝から震えていて。

手にしたライトの小さな明かりに照らされた、
震えている友人の不気味な姿を忘れることができず、
君ケ野へは行けないのだそうです。

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