〒717-0105 岡山県真庭市美甘
真庭市の美甘トンネル(みかもとんねる)の
手前にある小さな標識を見ると、
国道181号線から外れる道に
首切峠と物騒な名前が書かれています。
この辺りの地名が首切峠となった由来として2つの説があり。
一つはこの地でおきた一揆で多くの農民が処刑されたあと、
再び同じようなことが起きないように、
処刑された農民の首をさらしたとする山中一揆説。
もう一つは、
この地が三浦氏と尼子氏の戦が行われた場所で、
それだけ多くの首が切られた場所だからとする説です。
(首切峠にはこの由来を書いた看板があります)
どちらにしても血なまぐさい話で、
春になれば桜が咲いてキレイなのに、
どうやらそれほど気持ちのいい場所ではなかったようです。
車が通る程の幅はありませんが、
かっては旧道として使われていた峠道は、
少し進んだところでがけ崩れに埋もれて通り抜けることはできません。
道を塞ぐ大小様々な岩に手をかけてよじ登ろうとすると、
なにか低い音が響いてきたのですが、
それは遠くで響いているようなすぐ近から聞こえるような、
今まで聞いたことのない不思議な音でした。
頭にはクマやイノシシのような獣を思い浮かべて、
音が近くから聞こえるのならすぐに逃げれるようにしてから、
聞こえる音に意識を集中します。
風の音に混じってその音が聞こえたのですが、
それは動物の唸り声とも違う音で、
なんの音なのか全くわかりませんでした。
指先がピリピリとしてきて冷たくなっていて、
ただただ恐ろしくて逃げ出したのが、
私が首切峠で体験した出来事のすべてです。
2018年12月14日 at 10:04 AM
元は処刑場があったという事で、刑死した人の霊が出るらしい。首切峠には現在トンネルがあり、国道なので交通量も多いが、かつては峠であり、宿場町で取り締まった凶悪犯を処刑する場所であった。頻繁に斬首刑が行われていたことから、通称「首切り峠」と呼ばれる。現在でも旧道を通ると、首のない刑死者や、生首だけがあらわれて、首をくれ、体を返せと追いかけてくるという話がある。また、処刑人の霊も出ると言われており、人を見るや、追いかけてくるという。こうした怪現象が起きるために、村人によって六地蔵が建立されたが、六体あるお地蔵さまの首が一つ、一つとなくなっていき、すべて無くなると再び人を襲った。こうした事から、怪現象が起きるたびに当地には六地蔵が何体も建立されていったのであるが、一つ一つ地蔵さまの首がなくなると再び人を襲ったという。困り果てた所に、旅の途中の祈祷僧が現地に逗留した際に村人から相談をうけ、悪霊退治のための祈祷を七日七晩おこない、今度は石地蔵ではなく石の大塔婆を建立して霊を慰めようとした。結果として、僧の祈祷は効果を発揮し、長らく怪現象は起きることはなかったのだが、時代と共に石の大塔婆も風化し、歴史も失われてしまった。ある時、きもだめしに来た若者が、悪霊封じの役目を果たしていた石の大塔婆に落書きをしてしまう。すると、彼らは峠の旧道に肝試しに入ったまま、二度と帰って来ることはなかったという。現在は桜の名所となっていますが、それは首切峠の霊を慰めるものとも言われている。