〒637-1106 奈良県吉野郡十津川村谷瀬
奈良県熊野古道の付近を168号線が通っています。
そこを走って行くと川湯温泉という田舎の温泉街に出るのですが、
その温泉が好きで1年に1度秋になると訪れていました。
なぜ秋かと言うと、夏は暑くて温泉なんて気分じゃないし、
冬は雪で通れなくなるんです。
いつも日帰りの強行で、温泉からの帰りは真っ暗になります。
温泉街に向かう道は崖沿いの一本道で、
かなり道幅は細く、街灯もないのでライトを消すと真っ暗になります。
あまりに危険なので夜に走る車は少ない場所です。
それに、この道を昼間に走っても違和感を感じます。
何かに見られているような、プレッシャーみたいな。
特に谷瀬の吊り橋を過ぎる辺りから気配を感じるようになります。
その日も暗くなる前に温泉街を後にしたのですが、
途中で暗くなってしまいました。
嫌な予感はしましたが、
できるだけ早く帰りたかったので車を走らせ続けました。
すると狭い道に大きな四駆が横転しているのが見えました。
車を止めて確認してもドライバーがいません。
ギリギリ車をかわして走ると、横転した車のドライバーだと思いますが、
真っ暗な道を走って奇声を上げていました。
「出た~」と言いながら、前から走ってきた軽トラに助けを求めています。
軽トラが走って来なければ、私が助けることになったのだと思いますが、
何が出たのかは想像ができました。
私もそのあと急に睡魔に襲われたので、
閉店した道の駅まで行き、そこで朝まで過ごしました。
この場所には、ところどころ山の斜面にお墓らしきものがあります。
かなり朽ち果てているのでたしかではありませんが、その影響がありそうです。
私もそのまま走っていたら事故を起こしていたかもしれません。
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