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これは私が北陸に住んでいた頃、
賽の河原と呼ばれるいわき市の
洞窟に入った時に体験した出来事です。

賽の河原は沼ノ内漁港と薄磯海岸の間にある、
観音様が入り口にたつ洞窟の中に、
水子供養のための地蔵が並べられている場所
です。

地蔵にイタズラをした人や、
私達みたいに肝試しで行った人が水子の霊に祟られる場所ですが、
私達の持って行った豆電球のライトに照らされた無数に並べられた地蔵の、
冷たい視線に囲まれたことを今も私は忘れることができません。

私たちは洞窟に数体の地蔵が置いてあるだけだろうと思っていたのですが、
いったいどれだけの地蔵があったのか、とにかく洞窟は地蔵でいっぱいでした。

もの言わぬ地蔵の迫力に、
こんな場所くるんじゃなかったなと思っている時でした。

友人Fが何も言わずに力のない足取りで洞窟から離れて、
車をおいてある方に歩いていきます。

洞窟の前にある海に入る様子がないことに安心しながら、
Fのところに駆け寄ると、Fの顔からは血の気が引いていて、
どこを見ているのかわからない目でこちらを見てきます。

こんな場所にきてこんなことになって、
Fがどうにかなるんじゃなかと心配でしたが、
しばらく横になって休んだらFは回復して。

Fの顔色が元に戻った時には、
安心でこちらのほうが力が抜けてしまいました。

Fの話では沼ノ内漁港に着いた時から、
喉の奥からお腹の上あたりがなにか変だなと感じて、
それが洞窟の中で我慢できないくらいに苦しくなったということです。

福島を襲った災害で賽の河原も被害を受け、
2013年にNPOが復旧活動を行ったというレポートを見ていると、
地蔵はとても優しい表情を浮かべていて。

このレポートを見た後だとなおさらに、
自分たちはバカなことをしたんだ、
そんなふうに思っています。

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