〒319-1702 茨城県北茨城市大津町 五浦観光ホテル

五浦海岸で集団自殺がおこなわれてから幽霊が目撃されるって話で、
日が落ちてから20分くらいは五浦海岸の幽霊を探していたんだけど、
男3人でフラフラと夜の海を眺めていても悲しいだけだし、
何よりも真っ暗な海は本当に何かが潜んでいるようでした。

崖の中に灰色の建物があって崖の下は岩場でゴツゴツしていて、
夕暮れどきというのもあったけど、
秘密の施設・刑務所のような言葉が頭に浮かびました。

近づくな」そんな風に拒絶されているように感じて、
こんな場所がマジであるんだって思っていました。

本音を言えば刺激がある場所ならどこでもよかったぐらいの気持ちで、
五浦海岸の景色だけで十分満足だったし、
こんな場所にいるのが怖いって思うようになっていたから。

地元に帰ってからラーメン屋でメシ食べて、
その日は解散ってなったんです。

自分の部屋に帰った時には23時を過ぎたくらいで、
風呂はシャワーで済ませてからニュースアプリを読んでいたら、
窓がすごい大きな音でゴンってなって。

前の道をトラックみたいな重い車が走れば、
窓枠がガタガタなるような部屋だけど、
ゴンって下から叩きつけられたような音は初めてで、
車なんてとっくに走ってないし、
強い風が吹いているどころか風なんて吹いていませんでした。

ゴンって音は一度だけでそれからは静かなままで、
時計を見たら数分くらいスマホをもったまま固まってて、
そのころにはコレ地震じゃないかって思うようになりました。

すぐに地震速報で検索したけど、
地震なんて起きていなくて、
それじゃあさっきの音は何だったんだってなって。

そーっと窓を開けたら外から水っぽい臭いが入ってきて、
その臭いで信じたくないけど五浦海岸から連れて帰ったのかってなって、
すぐに窓を閉めてスマホで検索して、
とりあえずの対策で窓の前に盛り塩を用意して。

その日は眠れなくなったけど、それ以上おかしいことは起きなくて、
助かったって思っています。

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