西洋の城のような装飾が施されたクイーンシャトーQシャトー・トランプ城)は、
バブル経済まっただ中に巨費を投じて作られた高級ソープで、
バブル崩壊であっという間に廃業してしまったそうです。

建物の壁一面にトランプのクイーンが描かれていた事で注目を集め、
豪奢なソープの廃墟ということもあって多くの人が集まるようになり、
何度かボヤ騒ぎも起きています。

クイーンシャトーに訪れた人が幽霊を見たことで、
近くの森で自殺した女性がクイーンシャトーを彷徨っているという話が広まり、
その話を聞いた私の子供時代の話になります。

私は厨二病というやつで、自分には力が隠されていて、
その時になれば力が目覚めるはずだと信じていたのです。

トランプの絵柄が壁一面に描かれている、
こういう特別な場所で自分は生まれ変わるんだと思ったんです。

危険な場所に一人乗り込む自分にその時は興奮していたのですが、
壁のクイーンに睨まれているように感じて、
建物を見ただけでもう怖くなっていて。

それでもなんとか建物の中に入ったのですが、
自分で出した物音にオシッコを漏らしそうになっていて、
眠っている力が目覚めるどころか、
誰か助けてと祈っているような有様でした。

建物に入ってすぐに怖くなって引き返しました、
で終わればよかったのですが、
私の話はここで終わりではありません

建物の外に出てふと後ろを振り向くと、
壁に描かれたクイーンがこちらを見ているような感じがして、
クイーンの顔を見ないように少し視線を下げて割れた窓を見ると、
何かが動いたのが見えます。

ただでさえ怖くて頭がクラクラしていたのに、
その上得体のしれないものを見た私は無我夢中で走りだして、
半分泣きながら家に戻っていました。

バブル崩壊から生まれ変わった場所もある中で、
クイーンシャトーは廃墟のままで、
ボヤ騒ぎが続いたことで人が中に入れないようにされ、
壁のクイーンも蔦に覆われて見えなくなったと聞いています。

今も割れた窓からこちら側を見ている得体のしれないものがいると思うと、
子供の頃の気持ちを思い出して体が震えそうになります。

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