〒325-0301 栃木県那須郡那須町湯本
これは那須湯本温泉の近くにある
殺生石を訪れた時の心霊体験談です。
インド・中国で悪逆非道を尽くし、
海を渡って日本にやってきた白面金毛九尾の狐が打倒され、
そのあとに残されたのが殺生石です。
九尾の狐はマンガやゲームでたびたびモチーフに用いられ、
殺生石は松尾芭蕉の『奥の細道』にも登場し、
能にも『殺生石』という演目がありがあり、
殺生石とそれにまつわる伝説は、
日本のカルチャーに大きな影響をあたえています。
緑に覆われた山肌の中で、
石の周りだけ草木も生えず、
近づいた獣は皆死んでしまう。
昔から恐れられた場所なのですが、
タネを明かせば温泉から硫化水素が発生して、
それが石のあたりから漏れているのです。
現代では発生する硫化水素も少なくなり、
腐った卵のようなと表現される強い臭気はあるものの、
伝説の石として観光スポットになっています。
(石に近づくのは危険なので、近づけないように柵が設けられています)
旅行を数日後に控えたある日、
友人から送られてきたメールを見ると、
岩の後ろで横たわっている犬の写真がありました。
どうやら今度旅行に行く殺生石を調べている時に、
硫化水素を吸い込みすぎて死んでしまった犬が
写っている写真を見つけたようです。
実際に死んでいる生き物の写真を見て、
不安も感じましたがそれ以上に、
伝説どおりの場所ということに興奮もおぼえました。
実際にその場所に漂う独特の臭いを嗅ぐと、
普通なら逃げたくなるような臭いでしたが、
殺生石の伝説を盛り上げるフレーバーになっていて、
私の期待も高まっていました。
それで殺生石を見ていた時に、
バットを素振りしたような、
この場所で聞こえるはずのない音が聞こえたのです。
今のは何だと思って友人達に話しても、
浮かれすぎて幻聴が聞こえたんだろと、
誰もそんな音を聞いていませんでした。
それでその日の夜に、
寝ている友人の唸り声で、
他の皆が目を覚ますという事があって。
唸り声を上げた友人は何も覚えていないのですが、
その唸り声は苦しみにもがいているような唸り声でした。
同じ面子で、
何度か同じ部屋で寝泊まりをしたことはあるのですが、
こんなことは初めてで。
昼間に私が音を聞いたことと、
夜に友人がうなされたことを殺生石と関係づけるのは、
私の考えすぎなのでしょうか。
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