笠間市押辺の県道43号線を常磐自動車道から西に進んで、
岩間第二小学校を超えて少し進むと空き地や畑の奥に見えてくる、
場違いな白い大きな建物が平安閣です。

西洋の塔の先端を乗せた病院のような建物で、
昔は結婚式場だったのですが、
廃業後に放置されたまま荒れるに任せている状態です。

神仏と誓約を交わすのが結婚式なのですが、
それをいい加減に行って神仏の怒りで火事になって、
それから客が来なくなった。

自分より先に幸せを掴んだ者に対する嫉妬の念が、
次々と悪いものを引き寄せたなどと言われているようです。

私は友人3人と平安閣を訪れたのですが、
最初に建物の大きさに驚かされ、
風に揺れてガサガサと音を立てる剥がれかけの壁紙、
むき出しのパイプの上をネズミが走る足音と、
いい感じに驚かされていました。

全部を見て回るには建物が大きいですし、
それなりに肝試しも楽しめたので、
私達は外に止めた車に向かって歩きだします。

廃墟によくある落書きもあちこちにあって、
平安閣ではスプレーか何かで描いた、
イラストのような落書き
が目立っていました。

緑色のツタがウネウネとうごめいているような化物だったり、
タコの足がついたタツノオトシゴ?のようなイラストだったり、
とても凝ったものが描かれていました。

建物の奥へ進む時も足を止めてまじまじと見たのですが、
帰る時もやっぱりすごいなと言って、
私達は足を止めて眺めてしまいました。

突然、友人の1人が「ヒッ」と声を出したかと思うと、
壁に描かれた落書きが動いたなんて言い出した
のです。

こういう場所だからそんなふうに見えたのだろうと思ったのですが、
ありえないものを見たと思っている友人は、
今度は通路の奥のほうで何かが動いたと言い出したのです。

とにかくこの場所だと友人を落ち着かせる事も出来ないから、
車まで戻ったのですが、
怯えきった友人は小刻みに震えていました。

次の日に怯えていた友人から、
熱で動けないから助けてとメールが来て。
大げさだなと思ったのですが。

立ち上がるのもおぼつかない友人を見てしまうと、
今度は女の子と行きたいな~とか考えていたのですが、
そんな軽い気持ちで行くところではないなと思っています。

関連する心霊情報