私が仕事の都合で北海道に住んでいた頃、
友人達と恵庭市に訪れて、
南松島の道の駅「花ロードえにわ」に立ち寄った時に、
この近くに恵庭の木(えにわのき)と呼ばれている
変な木があるから行こうとなりました。
花ロードえにわ脇の道路を東の川に向かって進むと、
一本の大きな木が見えたので、
この木が恵庭の木だというのはすぐにわかりました。
道路脇に一本だけ木が立っているのは確かに珍しく、
葉っぱのない巨木と言うのは雰囲気がありますが、
変と言うほどではありません。
恵庭の木が変なところは根本にあって、
道路がこの木を避けて敷かれています。
茂漁松園線道路保護樹木と書かれた白い柱が立っていて、
この木は役所の方で保護されているようでした。
木の幹をよく見ると、
木を切ろうとした跡のような線が残っていて、
保護されるような大切な木なのに?
とますます気になります。
恵庭の木を見ようと言い出した友人が言うには
恵庭の木は御神木で、木を切ろうとしても
事故が起こって切れないと言われている。
さらに恵庭の木を調べた人の話だと、
どうしてこの木が保護されるようになったのか、
そのいきさつは記録に残っておらず、
誰も知らなかったということです。
木の見た目もあって、
ゾクリとするもの感じながらも、
謎めいたこの木に強く惹かれていました。
私が恵庭の御神木に強い感心を持っていたからなのでしょうか、
パキという指の骨を鳴らしたような音が、
木を眺めている時に聞こえました。
そんな音を私以外は聞いておらず、
周囲にそんな音が鳴りそうな物は落ちていませんでした。
やっぱりこの木はそういう木なのかなという話になり、
私はもう少し見ていたかったのですが、
私達は足早にこの場所から立ち去りました。
その後、恵庭の御神木に行くこともないまま
住むところが変わったのですが、
あの時の音は何だったのだろうと思い出しては考えてしまいます。
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