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獣や虫はタバコの匂いに敏感で、
人が思っているよりも遠くから、
タバコの匂いを感じて逃げていくのだそうです。

なので猟師達は狩猟の際に、
獲物が逃げるからタバコは吸わないのですが、
山小屋で休むときは、
タバコが獣や虫よけになるとありがたがられます。

獣や虫が嫌うことから、
タバコの煙に魔除けの力があると信じられ、
悪夢を見た後はタバコをふかすというまじないや、
人に悪さをしようとする妖かし避けにもタバコが使われます。

実は私もタバコに助けられた事があって、
それは私が高校生の時に、
天狗の森と呼ばれる場所に行った時です。

天狗の森は八坂神社の森の事で、
その森には天狗が住んでいたことから、
天狗の森として知られています。

小学校から遊んでいたいつもの面子で、
天狗を探そうと森のなかに入ったのですが、
ハッキリと何かを見たわけではないのですが、
何かが近くにいる気配を感じます。

誰もいない方向から足音が聞こえたとか、
風を感じないのに葉っぱが擦れる音がしたりとか、
気のせいだと言いながらもそんな事が続いていて、
私たちは不安でいっぱいになっていました。

そんな時に、
中学で学校が別になってから
ヤンチャな人とも付き合いのあったKが、
「ビビんなよ」と言いながらタバコに火を点けます。

なかなかライターを点けられないから、
Kが強がりを言っているのは分かったのですが、
それでもその言葉に安心を覚えたのは確かです。

ゆっくりと吐き出されたタバコの煙を見ていると、
さっきまでしていた気配がしなくなったことに気が付きます。

天狗の森と呼ばれる所へ行って、
ちょっとしたことに敏感になっていた。

他の面子はそういう風に思っているようですが、
タバコの話を知った私は、Kがタバコを吸った事で、
私達にちょっかいを出そうとした妖かしが逃げた
のだろうと考えています。

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