平家の命運が決まった『壇ノ浦の戦い』のあった海域には、
源氏・平家どちらも多くの武者が亡くなっていて、
山口県壇ノ浦付近の特定の場所というよりも、
『壇ノ浦古戦場』中心にして武者の幽霊が目撃されています。

壇ノ浦古戦場』は今では「壇ノ浦合戦の跡地」として、
関門大橋を眺めることができる観光スポットになっていますが、
この場所で命を落とした人たちの無念は、
今も消えておらず心霊スポットとしても有名です。

これは友人Tが、旅行で壇ノ浦へ訪れた時の心霊体験談です。

きままな一人旅で『壇ノ浦古戦場』を訪れたTは、
晴れた空に架かる関門大橋を潮の香りと共に満喫していると、
波の音に混じってだれかに呼ばれたような気がしたそうです。

ここで一泊したら朝には帰る電車に乗って、
休みがあけたらまた会社に行くのかと思っていたTは、
名残惜しさで波の音をそんな風に感じたのかと思っていました。

多分その時に幽霊がついたのでしょう。

宿で寝ていたTは、
金縛りを体験してしまいます。

眠りからボンヤリと意識が戻って来た時に、
Tは自分が動けなくなっていることに気が付いたそうです。

どうやっても体が動かせず、
頭のなかでは「これは夢だ、ちゃんと目を覚ましたらなんともない」と、
念仏のように何度も唱えていたそうです。

これが夢なら、
そのうち深い眠りに落ちたのですが。

Tの神経は、頬を冷たいものが通る感覚を、
うぶ毛からも感じるぐらいに研ぎ澄まされています。

突然の金縛りで混乱する中で、
何度も繰り返し「これは夢だ」と唱えたTは、
段々と意識が混濁していって、
後のことは覚えていないそうです。

次にTの意識がハッキリとした時には、
金縛りは解けていたそうです。

意識が混濁していたときに、
Tが強く感じていたのが悔しさだったそうです。

志の途中で倒れた源氏なのか、
夢が終わった平家なのかはわかりませんが、
幽霊はその無念をTに伝えたかったのでは無いでしょうか。

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