〒751-0813 山口県下関市みもすそ川町1

平家の命運が決まった『壇ノ浦の戦い』のあった海域には、
源氏・平家どちらも多くの武者が亡くなっていて、
山口県壇ノ浦付近の特定の場所というよりも、
『壇ノ浦古戦場』中心にして武者の幽霊が目撃されています。

壇ノ浦古戦場』は今では「壇ノ浦合戦の跡地」として、
関門大橋を眺めることができる観光スポットになっていますが、
この場所で命を落とした人たちの無念は、
今も消えておらず心霊スポットとしても有名です。

これは友人Tが、旅行で壇ノ浦へ訪れた時の心霊体験談です。

きままな一人旅で『壇ノ浦古戦場』を訪れたTは、
晴れた空に架かる関門大橋を潮の香りと共に満喫していると、
波の音に混じってだれかに呼ばれたような気がしたそうです。

ここで一泊したら朝には帰る電車に乗って、
休みがあけたらまた会社に行くのかと思っていたTは、
名残惜しさで波の音をそんな風に感じたのかと思っていました。

多分その時に幽霊がついたのでしょう。

宿で寝ていたTは、
金縛りを体験してしまいます。

眠りからボンヤリと意識が戻って来た時に、
Tは自分が動けなくなっていることに気が付いたそうです。

どうやっても体が動かせず、
頭のなかでは「これは夢だ、ちゃんと目を覚ましたらなんともない」と、
念仏のように何度も唱えていたそうです。

これが夢なら、
そのうち深い眠りに落ちたのですが。

Tの神経は、頬を冷たいものが通る感覚を、
うぶ毛からも感じるぐらいに研ぎ澄まされています。

突然の金縛りで混乱する中で、
何度も繰り返し「これは夢だ」と唱えたTは、
段々と意識が混濁していって、
後のことは覚えていないそうです。

次にTの意識がハッキリとした時には、
金縛りは解けていたそうです。

意識が混濁していたときに、
Tが強く感じていたのが悔しさだったそうです。

志の途中で倒れた源氏なのか、
夢が終わった平家なのかはわかりませんが、
幽霊はその無念をTに伝えたかったのでは無いでしょうか。

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