〒349-0136 埼玉県蓮田市上平野
中学からの友人が埼玉の大学に行っていたので、
夏休みを利用して友人の所へ行った時の話です。
私のバイトのシフトが連休になっていたこともあり、
友人が実家に帰る前にちょっと東京を観光して、
ふたりで地元に帰る予定だったのですが。
「どうせ暇なんだろ、地元に帰る前に変な家を見に行こう」
本当は午前中に地元へ帰る電車に乗る予定で、
気乗りしなかったのですが、
友人の言う変な家を見てから帰ることにしました。
友人のいう変な家が、
「蓮田の黒い家(落書きの家)」とよばれている建物でした。
東京の反対方向の電車に乗って、
わざわざこんなところまでと思っていたら、
文字が書いてある真っ黒の家が見えて来て。
家は火事で焼けて黒くなっていて、
その上から白ペンキで「異常と猟鬼」とか意味の分からない言葉や、
「配当3000万円」「信用取引をさせない」のような
金融用語が壁にびっしりと書かれていて、
こんなところまで来た価値がある、狂気を感じる家でした。
その時の私はとてもテンションが上がっていました。
よせばいいのに記念にと言って、
フェンスの隙間から手を入れて、
指先ほどの小石を持ち帰ったのです。
「蓮田の黒い家」から駅までの間に何度か靴紐がほどけて、
今から思えばその時から変だったのですが、
その時にはあまり気にしていませんでした。
地元までの電車に乗っていると、
いつの間にか私は眠っていたようで、
心配そうな顔をした友人に起こされます。
私が普通ではないうなされ方をしていたそうなのですが、
私には怖い夢を見たとかそういう記憶がなく、
ただとても喉が乾いていて、声が出ないほどでした。
地元に帰ってからも、
バイト先で呼ばれたと思ったら誰もいなかったり、
そんな奇妙な出来事が続きました。
何か変だなと思っていた時に、
ポケットに入れてそのまま忘れていた、
「蓮田の黒い家」から持ち帰った小石をが出てきました。
もしかしてと思って、
この小石を持って神社へ行きました。
とりあえず賽銭箱の手前に小石をおいて、
神様の方でなんとかして下さいとお祈りして、
小石はそのままにして帰ったのですが。
それから奇妙な事はおきなくなったので、
原因は「蓮田の黒い家」から持って帰った
小石だったのだと思います。
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