私は、沖縄県南風原町の某高校に進学し、
校舎から徒歩1分のところにある学生寮に住んでいました。

この高校と学生寮がある「弁ケ嶽(べんがだけ)」は、
太平洋戦争の沖縄戦の激戦地だったところです。

8月になると、学校内に戦時中の学校周辺の写真が
展示されていたのですが、戦死した方々の死体
ごろごろと転がっていました。

さて、ある日私は学校が終わると、
弁ケ嶽から下山しスーパーへ買出しに行きました。

スーパーの帰り道にいつも弁ケ嶽にある松林を通るわけですが、
その日も松林を通ると、腕のない日本兵が立っており、
こちらを見ていました。

ぞっとした私は目を合わさず早歩きで通り過ぎ、
振り返ることもなく学生寮に帰りました。

後ろを振り返ると誰もいなかったのでホッと安心しました。

ところが、夜寝ようと机の電気スタンドだけつけてベッドに入ると、
ドアのところにさっき見た日本兵が立っていました。

私は驚愕のあまり叫びました。
すると、その日本兵はすっと消えました。

そしてやがて定期的に行われる部屋替えがあり、
私は学生寮の2階の一番端の部屋に移りました。

その部屋は寮生の間で「幽霊部屋」と言われている部屋で、
3年ほど誰も入らなかった部屋でした。

その部屋のドアをはじめて開けると、部屋中埃だらけで、
ドアや窓には袋に入った塩がぶら下げられており、
壁には御札があり、それだけで不気味でした。

私は何度も雑巾がけして掃除したあと、
就寝しようとベッドに入りました。

しばらく眠れずにいると、
タッタッタッタッタッタッタッ!!!」と
すごいスピードで私の部屋の方へ廊下を走っている音がしました。

すごく速いので、陸上部の先輩が走っているのかと思いました。

ところが、その走る音は一番端にあるはずの
私の部屋を通り過ぎて
いきました。

このように弁ケ嶽では学内において
心霊体験が尽きませんでした。

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