鳥取県の観光地で有名な鳥取砂丘の南には、
多鯰ヶ池(たねがいけ)という透き通った池があります。
多鯰ヶ池は深い場所だと水深が15mを超える、
鳥取県だけではなく中国地方で一番深い池で。
この池で訓練をしていた兵隊が事故で亡くなってから、
池に一人で行くと水に引きずり込まれるという話や、
溺れた女性が出るという話があるようです。
多鯰ヶ池の周辺には「多鯰ヶ池のお種」に代表される、
蛇にまつわる言い伝えがいくつかあります。
「多鯰ヶ池のお種」は、
お種さんが持ってくるおいしい柿の実を、
どこから持ってくるのかコッソリとついていくと。
お種は白蛇が人間の女に化けた姿で、
柿の実は、
多鯰ヶ池の島にある柿の木から持ってきていた。
正体を見られたお種は、
その後あらわれることは無かった。
というお話で、
言い伝え通りの立派な木が一本だけある島が、
多鯰ヶ池の中にポツンとあります。
仲間数人で多鯰ヶ池に出かけて、
着いたのがお昼を過ぎたくらいでしたが、
寂しそうに立つ木の姿に少しビビってしまいました。
監視カメラが設置されているので、
水の事故が今も起こっているのだろうと思いながら、
風景を写真に撮った時の事です。
木の立つ島の反対側に、
池にせり出した山があり。
その山を撮影した画像を見ると、
モヤがかかったような画像でした。
O君も音が池から聞こえたと言い出して、
なんだか嫌な雰囲気がして来たと思っていると。
携帯を見ていたSさんが急に、
緊張した声で逃げるぞと言い出します。
まだ多鯰ヶ池についたばかりでしたが、
嫌な雰囲気がしていたこともあり、
全員だまってSさんの言うとおりにしました。
帰りの車内で、
どうして逃げると言ったのかをSさんに聞くと、
池に妙に気になる所があって、
そこをカメラでズームしたら。
水中を手のような顔のような、
何かよくないと感じるものが漂っているのが見えた。
Sさんはまだ緊張していましたが、
こうして何事も無く帰宅出来る事に、
私は安心していました。
後で調べると、
私が撮影した山では、
お種に化けていた白蛇が祀られていました。
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