私の心霊体験は日常に潜む非日常でした。

よく、心霊スポットというと
トンネルや廃墟を思い浮かべますし、
さらにどこも有名処ばかり。

まさか自分の生活圏でこんな体験をするとは思いませんでした。

私が高校生のとき、体育祭の打ち上げと称し、
荒川の中土手でクラスメイトと語り明かしていたときのことです。

一通り反省も終わり興奮が冷めてきたところで
お決まりの怪談話が始まりました。

一番始めに話し始めた友人は
ご両親が沖縄出身で霊感のある家系でした。

その友人が言うには
霊感がある人のそばにいると霊感が移る」そうで、
もし霊が見えてもその場で周囲に「ね、あれ見える?」などと
確認を取るのはタブーだそうです。

さらに「霊の話をしてると寄ってくるんだよ…」
と私たちを驚かしました。

みんながキャーキャー騒ぐ中、
私だけ顔を上げることができませんでした。

妙に肩が重いのです。しかも首が絞まるように苦しい。
その違和感をたどると、人が後ろから私の両肩に
寄りかかっているような感覚でした。

心拍数が上がり、声が出せず動くこともできない、
体がだんだんと折れ曲がっていきます。

心の中で「やばいやばいやばいやばい」と繰り替えしていると、
その友人が「ねぇ!」と私の手を持ってくれたんです。

その瞬間、私の肩にいた何かはスゥーと消えました。

後で彼女に話を聞くと、東京大空襲で亡くなった方の霊だった、
と教えてくれました。

東京大空襲のときからある荒川のような古い川は、
その川底に回収できなかった遺体が何万もある、
と言われています。

地上が焼け野原になり熱くて溜まらず飛び込んだ川も
すでにお湯であったり、また被爆してしまい
這い上がって来られなかったり、
苦しんで亡くなった方が大勢いるそうです。

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