私自身が経験したものです。
私がまだ中学生の頃、八王子市地元のお祭りの後にふざけ半分で
友達と一緒に、心霊スポットで有名な道了堂跡に行こうという話になりました。

お祭り会場から近く、辺りも暗くなってきていたので丁度肝試しにうってつけの時間でした。
私は元々怖いのが苦手なのですが、その場にいた人数も多く、ついていくことにしました。

長い階段を登ると八王子が一望出来るような景観の場所に着き、
そこから森の中に入っていきます。

すると、道了堂と書いた石が置いてあり、さらにそこから階段が続いています。
実は、地元の小学生にとってはこの場所は必ず見たことのある場所となっています。

何故かというと、道了堂跡の前を通る道から絹の道資料館への
未舗装の道は地元の小学校の遠足の通り道となっているのです。

その場にいたほとんど全員が小学生の時に
遠足でその道を通っていました。私もその一人でした。

しかし、明らかに雰囲気が違うのです。

遠足の行われていた昼間と肝試しの夜、
確かに森の中ということは昼間と夜で雰囲気が違うものです。

しかし、それ以上に明らかにおかしな雰囲気なのです。
周りの友達も恐らく同じことを感じていたでしょう。

かさかさという森のざわめきにすら驚きを隠せずにいました。
そして、成り行きのままにみんなで道了堂跡への階段を登ります。

一人で逃げ出したとしても明るい場所まで少し距離があり、
離れるに離れない状況なのです。

そして一歩一歩、階段を歩んでいき、
最後の一歩で、開けた道了堂跡に到着しました。

「跡」というだけあって、本堂は支柱があったであろう場所に
石が置いてあるのみで、更地となっています。

周りの地蔵らしき石は倒れたり散らかっていて、
それだけで恐怖を覚えるものでした。

しかし、一人が「あれ・・・」といって本堂の中央を指さしたのです。
そこには、背の低い老婆らしき人がしゃがんでいました。

時間は8時頃、周りには連れ添いの人がいるわけでもありません。
ただ老婆らしき人物が一人、佇んでいるのです。

私達はその異様な光景に悲鳴をあげ、一目散に走って逃げて行きました。
そしてどうにか階段を全速力で降り、明かりのある大通りへ出ることに成功しました。

どうにか友達は全員無事でした。
そしてやはり、みんな同じ老婆をみたと話始めました。

その日はそれで解散、誰一人呪いらしきものにはかかっていませんでした。

後日、その友達の中の一人がお父さんに道了堂跡のことを聞くと、
道了堂跡は昔老婆が殺害されるという事件があり、更に散らかっていた地蔵は、
暴走族が抗争を起こした末の壊れようだったらしいです。

他にも、某有名大学の教授が
不倫相手の教え子を殺した場所がすぐ近くであったり、
いわくつきの場所のようです。

私達はその後、道了堂跡に行くことは二度とありませんでした。
今もあの時の光景が忘れられずにいます。

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