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北海道内を一人、車で移動するのが趣味だった私が
少しぞっとする体験をしたのは今から10年ほど前の夏でした。

その日、釧路市に住んでいた私は札幌の友人宅へ向かうべく、
国道38号線を走っていました。

38号線は一本道で、札幌へ向かうためには浦幌の山中で
狭い3つのトンネルを抜ける必要があります。

その3つのトンネルのうち、一番最後に通過する
直別トンネル」は、暗くて狭く、晴れた日の昼間でも
どんよりした湿った空気が流れていました。

歌を歌うのが好きな私は一人で車に乗って旅行する際、
いつもCDレコーダーもラジオも切って、アカペラで大声で歌っていました。
ただ、その日は歌うのに飽きて、ラジオを聴いていた記憶があります。

直別トンネルに差し掛かったところで、なんとも言えない寒気に襲われ、
直感で「これはやばい」と思った私は、ラジオの音を大きくしました。

ラジオでは明るい声の女性パーソナリティが、
リスナーのお便りを読みながら曲を紹介しており、
少しホッとした気分でトンネル内へ入りました。

と、直別トンネルの中ほどで突然ラジオがザーザーと
音を立てて停止してしまいました。

まぁ、山の中だしトンネル内でもあるし、電波の届かないのは仕方ないこと・・・と
思い、ラジオのボリュームを下げようとすると、
電波が戻ったようでラジオからさきほどとは違う男性の声が聴こえてきました。

ぞっとしました。響いてきたのは、
先ほどの番組ではなく「百物語」のような心霊番組でした。

私はあわててラジオのスイッチを切ると、
大声で歌いながら猛スピードで直別トンネルを脱出しました。

脱出する直前の出口付近で、着物を着たおじいさんが
正座で座っているのが見えたような気がしましたが、
通り過ぎた後にミラーを見ても誰もおらず、
直別トンネル内には歩道もないので気のせいと思い、
泣きそうになりながら急いで山を降りました。

後日、霊感の強い友人に「直別トンネルで正座しているおじいさんを見た」と
冗談交じりに話してみると、なんともいらない情報を貰ってしまいました。
「ああ、あの人ね。おじいさんじゃなくておばあさんだよ」・・・と。

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