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私がその体験をしたのは2年前の10月でした。
私は釣りが趣味で、地元の釣り場である田島・横島エリアにはよくいっていました。

その日も昼過ぎから釣りに出かけ、島内の回りながら空いている釣り座を探しました。
本土から橋を渡り、少し行くと内海中学校があります。

その目の前には堤防があり、島内屈指の人気ポイントとなっていました。
釣り座も狭く、入れるのはせいぜい2~3人。

その日はたまたまそこが空いていたのです。これは入るほかありません。
すぐに車を止めて釣りの準備を開始しました。とりあえず他の人が来る前に、
堤防の中でも一番いいポイントの先端を陣取り、意気揚々と釣りを始めました。

流石の人気ポイント、よく釣れ続け、気づけば時刻は午後6時前、
秋口の空はもう暮れ始めて海は夕日の朱色から夜の暗色に変わっていました。

しかし、私は帰りません。夜には帰る予定でしたが今はまだ夕方、
それに釣りにとってはこの夕方が一番いい時間帯なのです。

ちょっと狙いを変えて足元にいるであろうカサゴでも釣ろうと
一段高くなっているとこによじのぼり、さぁやるぞを下を見たと同時、
私は寒気を覚え同時に全身に鳥肌がたちました。

しかし、多少の違和感を覚えたものの、下に見えるのはただの暗い水面、
ちょっと首をかしげながらも釣り糸を垂らし、少しすると狙い通りカサゴが釣れました。

つれた魚を美味しくいただくのが私の最高の楽しみです。
クーラーに収めようと後ろを向いた瞬間、そいつがいました。

堤防に手をかけて、目だけ出してこっちを見ているのです。
そいつは目が合った瞬間下に消えました。
(なんだ今の!?人か?いや、水の音もしないし・・・??)

もちろん堤防の下は水面です。
高さはそこまでではないとはいえ、飛び降りれば当然ボシャンと音がするはず・・・。

私はかなり動揺していました。今のは一体なんだ、と。
人か?なら助けないと、10月の海はかなり冷たいし。
ほっておくとヤバイ。いやでも、人なら声も出すし水面に落ちて音がしないのは・・・・。

と、そんなことを考えながらも竿は手放さず、
さっさとつれた魚をクーラーに放り込んでいたのは釣り人の性でしょうか。

私は一度竿をおいて、少し悩み、やはり人だったら助けねば、
と下を見ることにしました。

しかしそう決めると全身が粟立ち、ひざの震えが止まらなくなりました。
それでも意を決して下を覗き込むと・・・

やはりいました、そいつが。
そいつは人の形をしており、水面に仰向けに浮いてこっちを見ています。

口が、少しニヤリと動きました。
全身が更に粟立ちました、人間としての本能の部分が
「ヤバイ!!早く逃げろ!!」と叫んでいるのが分かりました。

そこからははっきりとは覚えていませんが、
荷物をひっつかみ震える足を動かして車に乗り込んで、急いで帰りました。
よく事故をしなかったものです。

釣りというのは、常に危険の伴う遊びであり、
毎年何人か釣り中の事故で亡くなっており、
特に太平洋側の大きな堤防テトラポッド地帯では、
夜釣り中に幽霊を見た、という話が後を絶ちません。

すこし調べればいくらでも出てきます。

余談ですが、これを書いていると晴れていた空が突然雷雨に変わりました。
こ、怖い・・・。

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