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私は大の温泉好きで、
仕事終わりに温泉へ行くのが日課になっていました。

この鍋山の湯は私の職場からは50キロ以上離れており、
場所も鶴見霊園の上にある山奥で、正真正銘の天然温泉でした。

温泉愛好クラブがボランティアで作ったという脱衣所が備えられており、
鍋山の湯温泉自体には何のしきりもなく、夜でなければ丸見えなので、
私はいつも深夜を狙って人のいない時間帯に行くようにしていました。

鶴見霊園の上なので、たどり着くまでに
無数のお墓を見ながら上がっていくことになりますが、
怖いという印象はありませんでした。

温泉に入ると本当に疲れがとれ、生き返るようなきもちよさでした。

しかし、車のタイヤが刃物で切られていたり、
パンクしたりというハプニングもありました。

それでも自力でスペアに交換するなどして気にせずに通っていたある日、
私が人のいない時間を見計らって入った後、
少しして男性のような人が来たのですぐ出ましたら、
脱衣所でのぞかれた上に後をつけられる、ということが起きたので、
それ以来行くのをぱったりとやめました。

仕事も忙しく、なかなか行くことができなかったのですが、
それから3か月ほどたって、やはりどうしても入りたくなって近くまで行きました。

すると、いつもは怖さなどなかったのに、
霊園の前まできて急に寒気がして、霊園の前の脇道に車を止めました。

そして、どうしようと悩んでいると、
ふいに目の前の山際の茂みがかさかさっと揺れました。

私は、キジか何かの小動物かと思い、
近づくと、途端にガサガサガサ、ザワザワっと、
大きく草が揺れ大きなものが奥に逃げていくような音がしました。

これを聞いてから怖くなり、二度と行かなくなりました。
その二年後、その温泉の駐車場で女性が殺害されるという事件があり、
テレビでそのニュースを見て愕然としました。

立ち入り禁止になったと知人から聞きましたが、
残念な気持ちと同時に、もしかしたらあのまま通っていたら
私が殺されていたかもしれないという気持ちになりました。

あの時の茂みにいたものは何だったのか?
タイヤを切ったのは誰だったのか?

それは今も謎のままです。

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