〒657-0000 兵庫県神戸市灘区上野
人気のない山中にひっそりと佇む貴婦人、
それが灘区の摩耶山にある廃ホテル『摩耶観光ホテル』、
通称「マヤカン」です。
(ほかにも軍艦ホテルという呼び名があります)
妖しくも気品を感じるその姿は、
撮影スポットとして人気が高く、
いわゆる霊山にあることから、
肝試しのスポットとしても知られています。
摩耶山には神社や遺跡と呼べる建造物などがあり、
これらを摩耶遺跡として観光資源として利用しよう
という計画があります。
そういう山だからこそ、
人や人以外のモノをひきつけてしまうのかもしれません。
私は友人と一緒にマヤカンへ行ったのですが、
割れた窓が見えているのに、人の気配といえばいいのか、
マヤカンが放つ雰囲気に近づきがたさを感じました。
私はいけないことをしているような気分になりながら、
ゆっくりと建物の中に入ると、
建物の中に落書きだったりゴミが落ちているのが見えた瞬間、
さっきまで感じていた気配がウソのように消えてしまいました。
いかにもな外見を見て、
勝手に自分で恐ろしさを作り上げていたんだと安心した気持ちは、
友人の驚き声で打ち破られてしまいます。
友人は鼻血を垂らしながら「ゴメン、テッシュ持ってない」といいますが、
友人の顔からは色がなくなっていて、
普通の鼻血だとはとても思えませんでした。
すぐに外に出て、
鼻をハンカチでおさえさせてから友人を横に寝かせ、
本当に大丈夫なのかと何度も聞いても、
自分の顔色がわからない友人は、
大丈夫だってとのんきに答えます。
マヤカンを見ると、
大きな窓で何かが動いたように見えて、
友人がこんな調子でなかったなら、
すぐにでも逃げ出してしまいたかったです。
ほどなくして友人の鼻血は止まりましたが、
友人の顔に色が戻ったのは山を降りた後でした。
2016年現在、
マヤカンは老朽化が進んでいることもあり、
警備会社に警護されていて建物内に入ることはできません。
ただ、観光地化が進むことは確かなので、
そうなると多くの人が訪れるようになり、
また新しい体験が生まれるのだろうと思います。
2019年3月18日 at 5:19 PM
今から数年前のことです。当時大学生だった私は、軽音楽同好会に所属していました。
そして大学に入って初めてのライブがありました。そのライブが無事に終わり、打ち上げも終わったあとのこと、時間は深夜でしたがまだまだ若くみんな元気でしたので、ドライブへ行こうということになりました。もちろん運転手は飲んでいませんでした。
大学は私の地元から離れたところにありましたので、私はほとんど土地勘がありません。
先輩の運転で、ただでさえわからない土地で、真っ暗な中数時間車に乗っていたと思います。
着いたよ、と車から下されると、そこには不気味な、きっと外が昼間で明るくても不気味だろう建物がありました。
そこが摩耶観光ホテルという、心霊スポットとして有名な場所であると知ったのは、後日でした。
もうそれを見ただけでぞくっとし、入りたくも近づきたくもなかったのですが、そういうわけにもいきません。
山道を登り、入った建物の内部は外見からの想像どおり不気味でした。ぼろぼろで、いろんなものが散乱しており、壁には落書きだらけ。
気味の悪い、「呪い」などという落書きなどもあって本当に気持ち悪かったです。もう消してしまったのですが、先輩が面白がって撮った写真にはいわゆる、オーブのようなものも映り込んでいました。私は二度と行きたくありませんが、もし心霊スポットに興味のある方は行かれてみても良いかもしれません。安全の保証はしませんが。
最後、やっと帰ろうということになり、山道を下っている時、逆に山道を登っていく白い人影を見た気がするのですが、それが何だったのか、定かではありません。