内大臣橋は熊本の真ん中を流れる緑川にかかる橋で、
橋の高さは90mほど、橋の下をみれば緑川沿いに
棚田が広がる長めのいい場所です。

熊本と宮城にまたがる国有林を開発するために設けられた橋で、
内大臣峡の入り口にあたり、紅葉のシーズンになれば、
橋から赤や黄色に色づいた峡谷を眺められます。

この山奥の峡谷で生活を始めたのは、
壇ノ浦の戦いに敗れた平家の落ち武者でした。

落ち武者たちは平重盛に縁のある集団だったらしく、
平重盛の別名である小松内大臣から、
このあたりを内大臣と呼ぶようになりました。

内大臣橋の両側には転落防止のフェンスが張られていますが、
2000年に改装工事が終わるまでは、
欄干の低くい自殺の名所として知られていたようです。

どんどん山奥に入っていく狭い林道を進みながら、
Mたちは内大臣橋にたどり着いたのですが、
橋の手前に置かれた地蔵をみて嫌な予感がしたそうです。

それは帰り道の出来事でした。

内大臣橋につく頃にはあたりはだいぶ暗くなっていて、
橋の上に明かりが一つ見え、
バイクが橋を渡っているように見えました。

林道と同じく橋の幅も狭かったので、
Mは橋に入る手前の広くなったスペースに車を停めて、
バイクが通り過ぎるのを待つことにしました。

スピードを落としてスペースに車を寄せていると、
同乗者たちがトイレに行きたいのかと聞いてきたので、
Mが橋の上をバイクが近づいているだろと答えると、
何を言っているのかといった表情を浮かべます。

「なにいってんのと」Mが橋の方を見ると、
橋の上には何も見えません

車を停めた場所の斜め前に地蔵があったのですが、
車のライトに浮かぶ地蔵の視線は、
こちらを凝視しているように見えた
そうです。

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