〒987-0902 宮城県登米市東和町米谷
水界トンネルは国道399号線にあるトンネルで、
トンネル近くの旧道を進むと、
封鎖された旧水界トンネルにたどりつきます。
少し昔にはトンネル内に入ることが出来ていたようですが、
私が見た時には大きな黒い土のう?が積み上げられていました。
旧水界トンネルはは1886年に竣工した県内最古のトンネルで、
県内の交通に関する貴重な遺産という面がありますが、
後ろ暗い一面も持ちあわせています。
工事中に死んだ労働者を、
トンネルに埋めて隠した。
それもどうやら一人二人ではないらしく、
トンネルの壁から無数の手が伸びてくると囁かれていて、
人が入るのを防ぐには大げさな封印を見ると、
恐ろしい物を閉じ込めているようにも見えます。
私がそう思うのも、
旧水界トンネルに訪れた時の出来事があるからです。
私は友人数名と旧水界トンネルに訪れたのですが、
トンネル入り口は塞がれているので、
少しでも中の様子をうかがおうと1人が土のうに耳をあてると、
私を含めた数人がそれに続きます。
もちろん音が聞こえると思っていませんが、
それでも少しがっかりしながら土のうから離れると、
友人の1人が耳をつけたまま土のうを叩いていました。
「どした、土のうなんか叩いて」
「いや、なんか音が聞こえたから、
誰かが土のうにあたった音かなと思って確かめたんだけど、
ぜんぜん違う音でさ」
「おまえらも聞いたろ、なんか物を叩いたような感じの音」
音が聞こえたのはその1人だけで、
私も他の友人達もそんな音を聞いていません。
急に目の前の黒い塊が気味悪く見えてきて、
トンネル中に入ることも出来ないしもう帰ろうかと話していると、
別の友人がトンネルの方から冷たい空気が来たと言い出します。
ヤバイだとかマジかよと言いながら、
徒歩20分の距離を走って車を停めた旧道入り口に辿り着いた時には、
全員が一歩も動けないぐらいにぐったりとなっていました。
閉じ込めると言うのは大げさなのかもしれませんが、
トンネルの封鎖が妙に念入りなのは、
やはりそれなりのワケがあるからではないでしょうか。
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