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母方の実家がある徳島に帰省したAさんは、
気がつくと何処かの山の中にいました。

その時はいとこ達と飲んでいて、
ドライブに出たところまでは覚えているのですが、
Aさんは酔から途中で眠ってしまい。

徳島に住んでいるB君の案内で、
どこかへ行こうと話していたのは覚えているのですが、
何処に向かっていたのかは思い出せません。

夜の山は肌寒く、
残っていた眠気も酔も覚めてしまいます。

Aさんはふと見た草むらのむこうで、
一瞬だけ小さなオレンジの灯りが見えた気がします。

いとこの男達がライトを持ちながら歩いていたので、
揺れながら足元を照らすそのライトの光を見間違えたのだろう。

そう思ったAさんは、
B君達の後についていきます。

B君に連れてこられた場所には、
石を積み上げた台座があって、
その上にはお地蔵さんのような石が二つ並んでいました。

Aさんが連れて来られたのは、
母子の墓』と呼ばれる、
呪いで地域を壊滅させたお杉とお玉のお墓でした。

「保瀬は野となれ、山となれ」

集落から迫害されたお杉が、
天に血を吐きかけながら保瀬に呪いをかけ、
実際に保瀬は大災害に見舞われます。

(保瀬:徳島県海部郡海南町平井字保瀬)

これは「明治25年の保勢崩壊」と呼ばれ、
山が中腹から大きく崩れる大災害で、
お杉が死んでから50年後の出来事でした。

いわれのない迫害を受けていたお杉は、
娘のお玉の頭をクワで落とし、
娘の血を口に含んでそれを天に吐き。

死後50年にして保瀬を潰滅させる。
そして100年は人が住めぬ様にしてやる

その言葉を残して
お杉はお玉の死体と一緒に川に沈んだと伝えられています。

Aさん達が母子の墓から帰ろうと車に戻ったときに、
先輩が人魂を見たっていってたんだけどなー
そうB君がつぶやいたとき、
Aさんは草むらで見たオレンジの灯りを思い出します。

強い恨みを持った人魂を見たかもしれない、
そんな不安から誰にもそのことを言えないまま、
Aさんは母子の墓を後にしたそうです。

山を崩すほどの恨みを持った母子は、
多くの人の命を奪った後も、
この世をさまよっているようです。

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