真っ白なスポーツタイプの自転車を買ったS子さん。
とにかく自転車に乗りたくて、
家から遠くのコンビニで買い物をして。
日用品や消耗品が無くなったと母親から聞けば、
私買いに行くよと自転車で出かけたそうです。
自転車に乗るのが楽しくなったS子さんは、
交通量の少ない直線を全力で漕ぎたいと思い。
道幅があって見通しがいい、
車両の通行が禁止された直線で、
安心して自転車を全力で走らせることができる。
そんな理想の直線、
米子市の旧日野橋に出かけます。
ヘルメットのベルトを念入りに調整して、
S子さんは白い自転車で旧日野橋を走ります。
強い風が吹く音が聞こえますが、
この音は自分がだしているんだ。
そう思うと、
ペダルをこぐ足にも力が入ります。
旧日野橋を引き返しているときの出来事です。
寒い日に大型車から出る熱気のような、
周囲と質の違う空気の塊を通り抜けます。
今のは何だろうと思いますが、
振り返ってもなにかが見えるわけもなく。
スピードが出ていたから、
抵抗のようなものだろう。
どれぐらい出ていたのかな、
やっぱりスピードメータを買おうかな。
そんなことを思いながら家に帰り、
母親にその出来事を話します。
「あんた、それ幽霊じゃ無いでしょうね」
母親の言葉に驚いて、
「鳥取 日野橋」で検索すると。
旧日野橋に幽霊が出たことを、
米子市役所のサイトが解説しています。
白い車が幽霊を乗せた話が広まり、
旧日野橋に白い車が集まり。
その様子が、
週刊誌で取り上げられたとあります。
「幽霊がのって重量オーバーしたんじゃないの」
S子さんの自転車は、
帰り道にパンと鳴ってパンクしたのですが。
タイヤには何も異変は無く、
中のチューブが大きく破れていたそうです。
塩をまいて安心したのか、
軽口をいう母親に。
見ているくらいなら、
手伝ってくれればいいのに。
S子さんは、
そう思いながらチューブ交換をしたそうです。
白い車が幽霊を乗せる前年、
旧日野橋が架かる日野川で女性の遺体が発見されます。
夫婦間の悩みから、
幼い娘を連れて自殺した女性が、
幽霊になって現れるといわれ。
この一家が所有していた車の色が、
白色だったそうです。
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