当時は携帯電話で写真撮影が出来る様になったばかりで、
旅行での写真撮影は使い捨てカメラを使っていた頃の話です。

私達は夏季休暇を利用した2泊3日の東京観光を予定していて、
日程の中に幾つか心霊スポットを巡ろうと計画していました。

携帯でやっと写真撮影が出来るようになったばかりです、
携帯でGPSを利用した地図表示は出来ません。

東京に気軽に訪れる事が出来ない地方民としては、
現地で地図を片手にマイナーなスポットを探してうろうろと時間を潰すよりも、
情報誌に掲載されている話題のスポットに行きたいという気持ちが強く。

心霊スポットも駅の近くといった簡単に行ける場所が中心で、
小菅駅の近く五反野の下山事件の事件現場もその内の1つでした。

下山事件といえば日本がGHQの監視下にあった時代に、
国鉄(現JR)の初代総裁となった下山氏が線路上で死体となって発見された事件。

労働者と経営者の諍いにGHQも絡んだ混迷の時代のミステリー色が強く、
電車の運転手が死体発見現場で線路を横切る人影を見たとウワサされる程度の、
心霊スポットとしては知る人ぞ知る穴場スポットのような期待感があったのですが。

薄曇りで湿気が多くて服がじっとり体につく気持ち悪さが、
今では歩道と高低差が付いて線路自体を見ることが出来ないガッカリ感を強くするなかで、
一応写真を撮影するかと私、友人A、友人Bの3人が一枚だけ撮った写真が問題でした。

現像した写真を見ると下山事件の現場を撮影した一枚だけが、
光の膜のような物を通して撮影したように写っていたのです。

友人Aはカメラ付きの携帯で撮影をしたのですが、
撮影をした後に入った喫茶店で画像を見た時に何も問題はありませんでした。

友人Bも私と同じように使い捨てカメラだったのですが、
こちらも下山事件の現場を撮影した一枚が同じような状態でした。

一応これはどうしてなのかと店員に確認をしたら、
フィルムの時点でこの状態だったので
「フラッシュ、もしくは何か強い光があったのではないか」
「フィルムの保管場所が悪かったのではないか」
と説明してもらったのですが。

曇りの日とは言えそれなりに明るかったのでフラッシュは使用していませんし、
何かしら発光している物も周辺にはなかったです。

確かにカメラは安売りのお店で購入したので
保管場所が良くなかったかも知れませんが、フィルムの劣化なら
私と友人Bの両方共がこの一枚だけというのもおかしいですし。

(現像時のミスも同じようにこの一枚だけという事も考えられないので、
お店側のミスでもないです。)

3人がほとんど同じ角度から同じタイミングで撮影したのに、
携帯のカメラで撮影した友人Aだけ問題が無いのもおかしいです。

浄めの塩と一緒に写真は処分したのですが、
楽しい旅行から帰ってからの方がゾッとしました。

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