キッチンで料理の準備をしてたら突然壁からガリガリという音が響いた。夕方の薄暗い部屋で家族はリビングにいるはずなのに音が近づいてきて、胸が締め付けられた。おかんに訴えたけど「風だろ」と一蹴されて苛立ったし、そんな音じゃない。音の方向を見ても何もなくて心臓がまだ鳴ってる。その後もキッチンに立つと気配が漂うから、もう夕飯の支度は手早く済ませるだけだ。頭からあの爪音が離れないままだった。