全国各地には食料を確保するために、
その昔、働けなくなった老人を捨てた、
姥捨て山』と呼ばれる山があります。

愛媛県松山市の大縄山もその『姥捨て山』で、
笹ヶ峠と呼ばれる場所が老人を山へ運ぶための道だったことから、
最近まで死入道峠(しにゅうどうとうげ)と呼ばれていました。

X君が今治から県道17号線を使って、
親戚の所に向かっている時の出来事です。

父親が運転する車が「儀式」と呼ばれる場所を過ぎた辺りで、
助手席の母親が山の中に人がいるといいます。

助手席の後ろに乗っていたX君が、
窓から山の方を眺めても木が見えるだけです。

その時は何も起こりませんでしたが、
次の日の朝、母親の顔はとてもやつれていました。

夢で母親は何処かの山の中に1人でいて、
辺りを見ようにも体は動きません。

同じ景色をただずっと見ているだけの夢から覚めて、
鏡を見ると精根尽き果てたような顔になっていたそうです。

大縄山には供養されないままの人骨が残っていると言われていますが、
X君の母親が見たものはその中の一体だったのかもしれません。

儀式」と呼ばれる辺りは、
大縄山へ入る前に儀式を行っていた場所だと言われ、
その場所の近くに今は老人ホームがあるそうです。

かって家族では養えなくなった老人を捨てた山に、
今では家族では看護できなくなった老人を預ける施設がある。

運命とは何かしらの因縁が作るものなのではないか、
そう思えて仕方がありません。

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