数年前、北海道にある昼は観光地、夜は自殺の名所である
ピョウタンの滝に女2人男2人で肝試しに行きました。

私の運転で行きました。当時は携帯の電波もなく、雰囲気がたっぷりありました。

車を駐車場に止め、ピョウタンの滝にかかっている橋に歩いて行きました。
暗く、滝の音が絶え間なく聞こえてきます。

橋の中央にさしかかった時、滝の音に混じって何かが風を切って落ちるような、
人の悲鳴のような、「ヒュー」という高い音が聞こえたような気がしました。

気のせいだろう、とその時は全く気にも止めませんでした。

橋を往復し、何もないねってことで車に乗り込み帰ろうとしたのですが、
エンジンがかかりません。キーが回らないのです。

軽く車内がパニックになりましたが、
その中の一人が「ハンドルロックじゃないか?」と冷静に言ってくれて、
無事エンジンはかかり、帰路につきました。

しかし車はまっすぐ止めましたし、ハンドルもまっすぐでした。
車も古くなく、そんな故障は一切なかったので不思議には思いましたが、
なるべく気にしないようにして運転しました。

その途中、橋で不思議な音が聞こえなかったか?と聞いたら、
男の一人が私と同じような音を聞いていたのです。

他の二人は何も聞こえなかった、と言っていました。

この音を聞いた男が霊感のある男で、あそこはもう行きたくない、
とポツリと言い残し、お開きになりました。数日後、その男から電話がありました。

「何か変わったことないか?」と。
「俺についてきた。お前も同じ音を聞いているから気を付けろ」と忠告をされました。

私は霊感はないので全く気にはしてなかったのですが、
その日以降、部屋で電話をしていると必ず
「誰かいるの?」「男連れ込んでるのか?」「テレビの音大きいね」等
言われるようになりました。

電話の相手が誰だろうと、同じような事を言われるのでさすがに怖くなりました。
声がはっきりと聞こえる、ということは受話器に近いところで
何かをしゃべっているということです。

なるべく気にしないように生活はしました。
霊感はなく見えもしないので。

びくびくしながら数週間すぎた頃。突然、部屋のドアに飾ってあった
プラスチック製の飾りがはじけ飛びました。

触れてもいないし、地震があったわけでもない。
何の前触れもなく、はじけ飛んだのです。

その飾りが弾け飛んだのを境に、電話をしていて変な事を言われることは
一切なくなりました。

きっと、あまりにも霊感のない私に見切りをつけて、出て行ったのでしょう。
最後の見えざる者の精一杯のアピールだったのかも、知れません。

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