私が当時高校生だったころの話です。
高知県の国道33号線をたどって行くと山奥にとある廃校があります。

噂によればそれは吾川村立長渕小学校という小学校だったそうなんですが、
幽霊がでるということで廃校になり、取り壊そうとしても
作業員が事故で怪我をするなどして結局作業が中止になり、
現在も残ったままになっています。

私には7つ上のいとこがいます。

彼は心霊現象などは一切信じず、友達と心霊スポットに行っては
何もなかったと笑って帰ってくる人でした。

ある日、知り合いからその学校の話を聞き、いとこと彼の友達2人、
そして私の4人で吾川村立長渕小学校に行ってみることになりました。

トンネルの横にある小道から山道を登って10分ほどで
車が通れないほど道が細くなったので、そこからは歩いていくことになりました。

草木が伸び放題で通りにくかったのを覚えています。
やっとのことでその学校の正門に着きました。

廃校の割にはきれいでスムーズに進めました。

一通り回ってみましたが特に変わったこともなく、多少残念なような、
少し安心したような気持ちになりました。

しかし、3階へと続く階段で異変が起きたのです。

私たちは、いとこ、友達A、私、友達Bの順に一列に並んで登っていたのですが
、突然、友達Aが「うわっ!!」っと叫びました。

どうしたのかと聞くと、誰かに足を掴まれたと言うのです。
当然、わたしではありません。

懐中電灯を当てると、確かに誰かに握られたように少し赤くなっていたのです。
友達Aは泣き出してしまいました。

とりあえずその場を落ち着かせようと、
あまりにも何もないのでおもしろくないから
私がやったと嘘をついて切り抜けました。

前を歩くいとこと友達Aはなんだと安心して進みましたが、
私と友達Bはもう気が気ではありませんでした。

その後は特に何もなく一周し終え、
お腹もすいてきたので帰り道のレストランに寄りました。

いや~、何もなかったね~などと話しながら入店すると、
店員さんがこう言うのです。「5名様ですね。」と。

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