後から聞いたら結構有名な話ではあったのですが、
その当時(去年の五月)は手稲金山近くにあるトンネル
心霊スポットであることは知りませんでした。

当時私はその地区にあった特別養護老人ホームに勤めていました。

月に5回程夜勤があり、夜勤の入が夜の9時45分からでしたので、
その夜も車でホームへ向かっていました。

山の上にある老人ホームでしたので、
手稲金山の麓にあるトンネルは必然的にとおり道になります。

雨も降っておらず、見通しもいい状況での運転でしたので、
何かを見間違えたりするといった事はなかったと思うんですが…。

自動車の運転があまりうまくないもので、必然的に安全運転となるのですが、
その時もゆっくりとオレンジ色のライトに照らされたトンネルの中をすすんでいたました。

前後に車はなく、トンネルの中程まで進んだとき、
対向車線側のトンネルの歩道にゆらゆら、
オレンジ色(に見えました)のパジャマ服を着た太った中年女性(に見えました)が
こちらに向かって小ぶりに手を振っているのです。

正直に申しまして、勤務時間も迫っていましたし、対向車線側の歩道だし、
トンネル内で車は止められないしと、そのまま通り過ぎました。

各階の独立したユニット制の特養なので、
自分の受け持ちのユニットの引き継ぎを行い、無事夜勤を終え、
さて帰ろうかと朝の7時30分に駐車場に向かうと、
別階のユニットの職員が「いや、昨日さ、Aさんが亡くなったんだよね」と
話しかけてきました。

その入居者さんはユニット制になる前にお世話をしたことのある方で、
もう80代後半の太ったおばあさんでした。

ほぼ寝たきりで私はベットかリクライニング車椅子に座っている姿しか
しりませんでしたが…。

亡くなったのは私が到着する3時間も前の話で、
医師が死亡確認をしたのち既に遺体は施設より運び出されていたそうです。

亡くなられた時に着ていたものは淡い紫色のパジャマだったそうです。

後から聞いた話ですが、
手稲金山トンネルでは幽霊らしきモノが出ると噂があるそうなのです。

もしかしたら施設で亡くなった方の通道なのではないかと…、
以来夜にそのトンネルを通るのは避けるようにしています。

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