山梨県甲州市と北留郡小菅村の境にある
標高1897メートルの大菩薩峠

未完の小説や歌謡曲、
1969年に多数の共産主義同盟赤軍派が摘発された
大菩薩峠事件で有名な峠であり、
写真家などが風光明媚な風景を目当てに訪れる峠でもあります。

これは、知り合いのオバサン甲から聞いた話です。

オバサン甲が高校時代、友人乙さんと大菩薩峠の山道に
ちょっとしたプチ旅行でハイキング
をしながら
風光明媚な景色を堪能していました。

ところが、しばらく歩いていると、不意に霧に見舞われたそうです。

オバサン甲は霧が晴れるまでしばらく待とうか
友人乙さんに相談しようと思っていると急に友人乙さんが、
オバサン甲のいる方向とは別の方向に向かって
にこやかに談笑を始めました。

霧のせいかオバサン甲には、
友人乙さんが喋っている相手が見えません。

乙、誰と話しているの?」と聞いたそうです。
すると、友人乙さんはこう言ったそうです。

あっ、甲、この人がね、ここの道をよく知ってるから
近道紹介してくれるって
」と。

そのときも霧のせいか、友人乙と喋っている人が
オバサン甲には全く見えません

本当に霧のせいで見えなかったのかも今思えば、
怪しいところですが。

そして霧の中とはいえ、友人乙さんが
明らかに山道から外れた方角に行こうとして
見失いそうになった
ので、慌てて友人乙を引き留めました。

その人を無視して。霧が晴れるまでここで待っていようよ」と言って。

しばらくして、霧が晴れたのですが、
オバサン甲と友人乙以外に人がおらず
友人乙が行こうとした方向は山道から外れており、
樹海といってもいい位の森が広がっていたそうです。

友人乙は後で冷静に考えれば、自分がなんで、
その人に不信感を抱かなかったのか
不思議でならない
とも言っていたようです。

大菩薩峠は青梅街道の難所でかつては「死の峠」、
死の森」と呼ばれていたそうです。

今はハイキングコースや山小屋が整備されていますが、
油断はするべきではないでしょう。

見知らぬ陽気な人がつきまとって
同行しようとするなんて話もある
ようですし。

ただ、オバサン甲も友人乙も運が良かったのかも知れません。

昔3人のカメラマンが大菩薩峠で遭難し、
1人は白骨死体が累々と積み上がるところに出てしまうも
2週間後に救助
され、残り2人は行方不明なんて話があったりしますから。

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