もう昔のことなのですが、
私は倉谷温泉と呼ばれる廃墟幽霊を見たことがあります。

倉谷温泉は山奥にある温泉旅館だった場所で、
ウワサではオーナーが不審死して廃業したといわれていて、
経営再建や再開発といった話が出てもだれも触れずにいるのだそうです。

柱が建物を支えられなくなり、崩れる寸前の場所もあったり、
何処かから持ち込まれたゴミが散乱する荒れ放題の場所でした。

警告を促す看板が設置されていましたが、
道に雑草が茂る様子から、
ほとんど管理されていないのがわかりました。

私は友人たちと3人で倉谷温泉へいきましたが、
昼間なのに息苦しさを感じるような場所で、
夜の倉谷温泉を想像するだけで気温が下がったように感じました。

こういう廃墟が好きな友人Aが先頭を歩き、
私たちは三角形のような形で、
崩れた場所には入らないようにしながら、
倉谷温泉を探索していたときです。

私の目の前を歩くAが体ごと右手側を向いたのですが、
その横顔は深いシワが刻まれた、
見たことのない男の横顔
でした。

何でどうして、この出来事はなんだと頭を回転させても、
こんな出来事への答えはでるはずもなく。

隣を歩いていた友人も同じものを見たのでしょう、
口を半開きにした表情でこちらを見ていました。

Aがこちらを向いたときにはいつもの顔で、
様子におかしなところはありませんでしたが、
倉谷温泉の中にいることはできませんでした

その後はネットでこういう場合の対処法を調べて、
よくわからない模様を印刷して壁に貼ったり、
消臭剤を体が濡れるぐらい吹き付けたり、
不安が消えるまで色々とやってみました。

それが効果があったのかはわかりませんが、
それから何事もなく過ごせ、
こうしてあの時のことを思い出せることができるのは、
本当によかったと思っています。

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