普通ならそんなに気にすることもない、
それなりに人がやってくる場所にありがちな、
川への飛び込みを禁止する看板。
そのときだけ、
看板が妙に気になったのは、
何かを感じていたからなのかもしれません。
そのとき私たちがいた場所が立神峡公園で、
春の終わりごろにしては温かな、
汗ばむような陽気の日でした。
峡谷を流れる川にはまだ冷たさが残っていましたが、
その日の暖かさには心地よいくらいの水温でした。
私たちは足を入れたり、
水しぶきを上げたりして、
ちょっとした川遊びを楽しんでいました。
汗ばむ陽気だったとはいっても、
時期的に水遊びにはまだ早く、
私たちが川で遊んでいたのは
そんなに長い時間ではありませんでした。
その辺に座って足を乾かしていると、
私のふくらはぎから、
かかとに向かって血が流れていて、
足元には私の血が染み付いていました。
それは何かで切ったような傷口ではなく、
血を止めるために押さえてみても、
1mmくらいの小さな傷口なのに、
なかなか血の流れは止まりませんでした。
車にあった携帯用のウエットテッシュをガーゼのかわりに、
コンビニ袋を包帯代わりにしてふくらはぎを巻いて、
血が止まったのを確認できたのは2時間後のことでした。
立神峡を流れる川では、
2012年に30代の男性が亡くなっていて、
2000年のはじめごろにも、
子供とその家族が亡くなっています。
事故にはなっていないだけで、
いきなり川の深みに入ってしまった、
急に流れが強くなって思うように動けなくなった。
そんな状態になって怖かった、
溺れる手前だったという話が思いのほか多く、
友人が聞いたことがある話では、まるで引っ張られたように、
足が後ろに持っていかれたという話もあるようです。
立神峡公園へは、
峡谷の景色やキャンプを楽しむために訪れ、
川で遊ぶ人も多いですが、
川の奥まで行かないほうが安全だと思います。
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