金閣寺の東にある船岡山には見晴らしのいい公園があって、
公園からの街を見渡せる景色はFさんのお気に入りでした。

Fさんが船岡山公園に通いだしたのは春で、
新年度・新学期の始まりに新しいことを始めようとしたのがきっかけでした。

最初は適度な運動のつもりで船岡山を歩いてのぼったのですが、
頂上から景色を眺めていると何とも言えない充実感を感じて、
気がつけば定期的に船岡山公園に行くようになっていました。

最初の出来事は夏の盛りを迎えた日のことで、
Fさんはいつものように公園を歩いていたのですが、
木に強い力をかけたときのミシッという音がすぐ隣から聞こえてきて。

音のした方をみても何の音か聞こえたのかわかず、
気になってあたりの木をたたいても、
これと言っておかしなところはありません。

それからもFさんは船岡山公園に通っていたのですが、
それからときおり、公園で奇妙な感覚を覚えることがあったそうです。

秋になってだんだんと寒さが増していたころ、
Fさんが公園を歩いていると背中から生暖かい風が流れ

自分のすぐ後ろから、
ハーと息を吐き出す呼吸が聞こえ
驚いて振り向いても近くには誰もいなかったのだそうです。

船岡山は昔の戦場で、
京都の3大墓地だった場所というだけではなく、
船岡山公園は警察官が殺害される事件がおきた場所で、
あたりは自殺の名所といわれているのだそうです。

日が暮れて暗くなった公園を歩くと、
後ろをついてくる足音が聞こえるというウワサですが、
Fさんも公園にいるなにかにつきまとわれていたのかもしれません。

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