青雲橋は国道218号線にかかるアーチ橋で、
国道にかかる橋の中では最も高さがある橋なのだそうです。

これは2010年以前の話なのですが、
その頃の青雲橋は転落防止のフェンスはなく、
橋から飛び降りる人が少なくなかった
ということです。

その時は親戚が家族旅行で宮城に来ていて、
青雲橋からの景色をみてもらうために、
橋の手前にある道の駅に来ていました。

軽く食事をしたあと、
親同士は特産品などで盛り上がっていましたが、
まだ幼いおいっ子のHくんはすぐに飽きてしまい、
私が相手をしていました。

道の駅の駐車場から青雲橋を見ていると、
橋を指差しながらHくんが「あの人、なに」と聞いてきます。

「ん?どの人のこと」
あれ、上にのってる人

橋の手すりか、
照明に登っている人がいるのだとは思うのですが、
橋の上を歩いている人たちの中に、
そんなことをしている人は見えません。

Hくんは好奇心に満ちた顔でこちらを見るのですが、
私にはなんのことだかわかりません。

Hくんが私の方を向いている間に、
どこかへ行ってしまったようで、
Hくんが見たものはわからないままでした。

その後、友人から青雲橋が自殺で有名だという話を知ったときに、
この時のHくんとのやり取りを思い出します。

子供の方が幽霊を見やすいなんて言いますが、
自殺した人の幽霊をHくんが見ていたと考えてしまい、
酒がどんどんまずくなります。

青雲橋を見上げると、
あのときHくんがみたものの正体が気になりますが、
知らないですむならそのほうがいいと思っています。

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