島根出身の友人に誘われて、
私たちが国賀海岸の摩天崖を訪れた時の話です。

国賀海岸は西之島の北西部の断崖絶壁が続く海岸で、
摩天崖は国内最高峰の崖という場所です。

私たちは国賀海岸で放牧されている馬の近くを通りながら、
遊歩道を摩天崖へ歩いていました。

普段から抜けたところのあるKが、
牧草の上を歩いていたら、
牧草に足を滑らせて背中からころんでしまったのです。

一昨日だかに降ったという雨のせいか、
起き上がったKの背中はシミや牧草などで汚れがついていて、
私はふくらはぎについたシミを見ながら、
なんだか手のひらみたいだなと思っていました。

Kも誰かに引っ張られたみたいに、
足が動くのが止められなかったと言うのですから、
背中のシミや汚れもKを引っ張っていた手の痕のように見えてしまいます。

ここまでは、
いつものようにKがやらかしたという話なのですが。。。

Kの発言から、
島根出身の友人が子供の頃に聞いた話を思い出します。

摩天崖のあたりでは、
年に一度は絶壁から身を投げる人がいる場所で、
崖の際から下をのぞいていると、
飛び降りた人たちの手に引きずり落とされる
のだというのです。

改めてKの背中を見てもシミや汚れはだいぶ落ちていて、
シミや汚れが人の手に見えるのかは、
確認することはできませんでした。

確かにKはどこか抜けていましたが、
怪我とは縁遠い奴だったのですが、
旅行から帰ってすぐにKから捻挫をしたと連絡がありました。

捻挫をしたのがシミが手のひらのように見えた方の足だと聞くと、
摩天崖でKがころんだときのシミも、
そんな風に見えただけではないかもしれない、
と思えてしかたがありません。

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