これは私が高校生時代体験した話です。

私の高校は少し変わっており、学校行事に植林といって
学校が所有している山(埼玉県名栗村)に2泊3日で
植林活動をしに行きます。

もちろん山の中ですので、宿泊場所は何十年か前の先輩が作った小屋で、
料理は自炊、トイレは穴を掘って臨時トイレを作り風呂はありません。

今考えると完全にサバイバルです。。
しかし、男子校だったのでそれはそれで楽しめてました。

年間で春と秋の2回、それぞれクラスの半分ずつ
前期・後期に分かれて植林に行くといった形です。

私は秋の後期のメンバーだったので、
前期のメンバーと入れ替わり植林に向かいました。

交代する際、前期もメンバーが「絶対もう行きたくない」
「やばいでしょ」と言っていたので、私は作業内容がきついのかなと思っていました。

1日目の作業が終わり、想像よりも作業はキツくなく、
友人を余裕じゃんと言って就寝しました。

2日目も怪我やトラブルもなく作業が終わり、友人と明日は帰るだけなので、
山に泊まる機会なんてそうそう無いから散策しようということになり
日暮れ前に山頂まで上っていた時、ものすごい話し声が聞こえてきました。

私と友人は、「ホームレスがラジオでも聞いてんじゃない、もしくは小学校とかの放送じゃん」
と言ってその場はスルーし山頂に到着し、小屋まで引き返しました。

夜になり、食事を食べている際、話し声のことを思い出し教員に訪ねてみました。

しかし、小学校は近くにないという事だったので、
友人と「んじゃホームレスか」と話しているうちに、
私も友人も冷静になって考えたらそんな事はありえないという事に気がつきました。

しかし怖いので、それ以上は話をせず就寝しました。

普通ならそのまま朝を迎える笑い話になるはずが、
そんな日に限って夜中友人に起こされました。

「トイレに行きたいけど、さっきのあって何か気持ち悪いから一緒に行こう」とのこと。

馬鹿にしようかと思いましたが、立場が逆なら私も友人を起こすだろうなと思い
渋々一緒に外のトイレまでついて行きました。

何事もなくトイレを済ませ小屋に戻り寝ようとしたところ、
少しすると小屋の入口を何度も蹴っているような音が聞こえ
どんどん激しくなっていきます。

しかし、誰も起きる気配がありません。恐怖のあまり声も出せないまま、
気がついたら眠っていました。

翌朝、夢だったのかと思い友人に話をしたところ
「俺も聞いた。けど誰も起きないから夢かと思ってた」と言われ、
現実だったんだ、何も起きなくてよかった。と話した記憶があります。

後日、前期に行ったメンバーにその話をしたところ。
「実は、俺たちが行った時に山の中腹で首吊り自殺が見つかってさ」と聞きました。

あのドアを蹴っていたのは、ホームレスなのか、心霊現象なのかは分かりません。

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