青ヶ島は、カミソーゼ(神)から啓示を受けたミコが神の声を聴いて、
人々を導いたとされる東京の中心から南へ約360㎞、
人口数百人が暮らす集落だと言われています。

青ヶ島は伊豆諸島の最南端に位置する小さな島で、
一番近くの八丈島からも67km離れた、
周囲と隔絶された孤島だからこその文化なのです。

八丈島からはヘリか船に乗って青ヶ島へ行くのですが、
現代でも天候によっては数日間青ヶ島に
足止めされることもあるのです。

災害が起きても行政の助けが
すぐには差し伸べられない島での暮らしに、
神の声を聴くミコの存在は島民の心の支えとして
重要な役割を担っているのです。

峠の神様トーゲサマ樹木に宿るキダマシサマ
鍛冶屋の神カナヤマサマなど、
いろいろなモノに神が宿っていると考えられていて、
ミコはその一柱を守護神として定めて、
島の鎮守である大里神社で神を祀ります。

大里神社への参道は石が敷き詰められているのですが、
参道は雑草に覆われているうえに急な勾配で、
参道を上っていると忘れ去られた
古い神を探し求めている気分になります。

ミコは中高年の女性から選ばれるのですが、
こんな酷い道を本当に上っているのか?
ミコだけが知る別の道があるんだろうか?
そんなことを考えながら額の汗をぬぐいます。

参道を上った先には、
鳥居と植物に覆われた石造りの祠がいくつもあって、
ここが青ヶ島の信仰の中心なのを実感します。

私が軽くチビッた出来事は、
大里神社からの帰り道で起こります。

参道を降りている途中で、祀られているいる神様達に
一礼をしていないのに気が付きました
が、
今更戻る気にもなれなかったので、
そのまま歩き続けたのです。

すると、「グワーッオ」「クォッカー」なんていう
聞いたことのない叫び声が聞こえたのです。

回りを見てもなにもいないし、なにか生き物だとしても、
あたりを覆う雑草などが揺れたりしていません。

これは神様が怒っているんだと思って、
私は急いで祠に戻ってあやまりました。

二度目の帰り道はなにも起きませんでしたが、
あんな怖い思いは二度としたくありません。

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