私たちが沙美海岸で見たものは、
頭だけを海の中からのぞかせた
幼い子供の丸い頭部でした。

濡れた髪が頭全体にべったりと張り付き、
髪の間で小さな目がわずかに光り、
こちらの方を向いたと思ったら、
それは一瞬で消えてしまいました。

日が沈んでから1時間は過ぎたころで、
子供が一人で泳いでいたとは考えにくく、
見間違いだイノシシの子供か何かだと誤魔化しても、
私たちの心にはしっかりと、その時のキズが残っています。

海水浴場で知られる倉敷市の沙美海岸に、
海で亡くなったなった海水浴客の方々のために、
お経を書いた石が積まれた場所がある。

そんな話を聞いた私たちは、
この石が積まれている場所を探すために
沙美海岸を訪れました。

出発したのが遅かったので、
ホームセンターへ寄ってライトなどを購入したりしていたら、
海岸へ着いた時には日が沈んだ後で。

目的の場所は海岸の端のほうだろうと思ったのですが、
すぐに見えるようなところにそういう石は見当たらず、
海の中かなと思っても、暗くて海の中は見えません。

そうして海岸を歩いていると、
私たちから30m離れた海の上を
何かが動いているのに気が付きました。

友人がスマホのカメラで動いているものをズームすると、
そこには幼い子供の頭が映っていました。

私たちはスマホの画面を黙って見るしかなく、
動けるようになったのは頭が消えてしばらくしてからです。

私は何かに見つめられる夢を見るたびに、
面白半分でウワサのある場所に行ったことを後悔しています。

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