神奈川県山北町にある線守稲荷神社は、
線路の守り神というとありがたい神様のように聞こえますが、
このあたりをナワバリにしていた狐を機関車で轢いてしまい、
狐に祟られないように建てられた神社だと思うと、
なんとなく怖いものがそこにいるように感じてしまいます。
しかもこの狐は人を化かす妖術を使う化け狐だと伝えられていて、
いたずらをすることもありますが、時には人を手助けすることがあり、
人間とは適度な距離を保っていたようです。
日本に鉄道が広がり始めたころ、
この狐のナワバリにも鉄道が敷かれてしまい、
これに腹を立てた狐が岩や牛に姿を変えて、
機関車の運行を邪魔していましたが、
最後には機関車に轢かれてしまいます。
記録に残っている話を読むかぎり、
狐が鉄道に対して恨みを残していてもおかしくはない、
そう思える最期を迎えています。
その事故現場近くに建てられたのが線守稲荷神社で、
JR山北駅から県道76号線を西に進んだところに
線守稲荷神社への入口があります。
私達が線守稲荷神社に訪れたのが2015年のことです。
地図に事前に調べておいた入り口のある場所に印をつけて、
その付近では特に注意をしてあたりを見ていたのですが、
私たちは線守稲荷神社への入口を見つけることができませんでした。
全員わけがわからず、
とりあえず適当なところで引き返して来た道を戻っていると、
今度はガードレールに広めの隙間があって、
赤い柱が二本立っている線守稲荷神社への入口を見つけることができます。
雑草が茂ってはいましたが立て看板もあって、
どちらかと言うと周囲からは浮いて見えるような場所なのに、
どうしてこの入口を見落としてしまったのか。
私達は首をかしげるしかできず、
それこそ狐に化かされたような気持ちです。
私達が訪れた時には線守稲荷神社への入口に黄色と黒色のロープが張られていて、
崩れている場所が見えたので安全のために立ち入り禁止になっていたのでしょう。
ここに来るまでの出来事がなければ入り込んでいたと思うので、
何かに守られたのかもしれません。
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