A君が猪子トンネルについた時には日が落ちていて、
明かりはトンネルの小さな照明だけで、
猪子トンネルが獲物を引き寄せている罠のように見えてしまい、
もう少し早く出発すれば良かったと思ったそうです。

県道218号線にある猪子トンネルは、
感の鋭い人だと何かの気配を感じるそうですが、
どちらかと言うとこのトンネルは目印で、
猪子トンネルそばに山道への入り口があって、
この山道の方で幽霊が目撃されています。

これはA君が友人達と一緒に、
話のタネになるだろうぐらいの軽い気持ちで、
猪子トンネルへ訪れた時の心霊体験談です。

A君たちが持っていた明かりは、
車のキーにつけてキーホルダーにしていた小さなライトだけで、
山道に入るには頼りない明かりしかありませんでした。

それでもせっかくここまで来たのだからと
A君達は噂の山道に入って行きますが、
小さなライトでは足元がぼんやりと見えるだけです。

山道に入って数メートル進んだ所で
ライトを持っていたB君が立ち止まり、
ライトをいろんな方向に向けますがまったく役に立ちません。

これは全然ダメだなと言いながら
B君がライトを動かしていると、
木の間に白いものが浮かび上がりました。

白いものが見えた場所にライトを向けると、
そこには子供の頭ぐらいの大きさの白いものが浮かんでいて、
あれはなんだとA君達が呆然としていると、
白いものは森の奥へ消えていったそうです。

A君は車までの間になにか起こるのではと不安になって、
気持ちだけが先走ってとても長い距離に感じられたそうです。

この出来事から何年か過ぎているのですが、
全員が白いものを見た出来事を話題にするのは避けていて、
昔あった出来事を懐かしんだりするときでも、
この話題が出ることはないそうです。

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