これは私が山形に住んでいた時の話です。

その時の私は家賃が安いだけが取り柄の、
おんぼろアパートに住んでいました。

トイレは別なのですが、
風呂と洗面台が同じ部屋にある間取りで、
湯船も壁もタイル張りの昭和の空気を色濃く残した
アパートでした。

私は風呂で歯を磨いたらその後は何も食べないのですが、
その日は塩気のある物がどうしても食べたくて、
半分残っていたポテトチップスを食べました。

それで今度は歯の周りに付いたポテトチップスが気になって、
歯を磨きに洗面台に行ったのですが、
湯気の曇りがまだ残っている鏡越しに、
私の後ろで何かが動くのが見えたのです。

すぐに後ろを見ますが、
一人暮らしの私の部屋で、
私以外に動くものなんているはずがありません。

風呂の熱がまだ少し残る部屋でしたが、
体からはどんどん熱が逃げていくような感覚で、
昼間に行った新庄厚生病院から連れて帰ったのかと
不安に襲われていました。

新庄厚生病院は国道13号線と
国道47号線の交差点近くにある廃病院
で、
誰もいない病院を見まわり続ける看護婦だとか、
入院患者の霊がとウワサされていました。

どこかが管理しているようなので、
外から建物を見ただけなのですが、
道沿いにはお店もあるような場所にあることもあり、
ちっとも怖くないなと思っていました。

その日の夜にこんな事が起きて、
私はどうしてポテトチップスなんかを
食べたのだろうと後悔と同時に、
そうだとにかく塩だと思いつくことができ。

とにかく何も起こらないことを祈りながら静かに体を動かし、
台所で体に塩を振って、
小皿に出した塩を枕元に置いて布団の中に閉じこもりました。

それからしばらくのあいだ、
自分の部屋が一番落ち着かない場所になって、
色んな所に塩を置いて生活していました。

急に塩気のあるものが欲しくなったのは、
幽霊の気配を感じていたからかもしれない

今ではそう思っています。

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