私がバス釣りにハマっていた時の事なので
だいぶ昔の話になるのですが、
国道286号線を市街地から山へ向かって、
道なりに進んだところにある
釜房ダム(かまふさだむ)に足繁く通っていました。

釜房ダムは里の川を何本かせき止めた人造湖で、
国道に沿って進めばいい事もあって
行きやすかったのが理由です。

高校時代からの友人と久しぶりに集まった時に、
私が最近バス釣りにハマっているという話をしたのですが、
釜房ダムの話の時に友人Aが妙に渋い顔をしていたのが気になりました。

酒もすすんだ頃に友人Aに様子がおかしかった事を尋ねると、
友人Aいわく、釜房ダムに行った時に
激しい悪寒に襲われたことがある
のだそうです。

なんでも釜房ダムでは拳銃自殺があった場所で、
今でも自殺した男の魂がさまよっているというウワサを知って、
友人Aは何人かで肝試しに行ったらしいのです。

ダムに着いた途端に全身を膜に包まれたような感覚に襲われ、
唇から色が無くなったことを友人達が気づいて、
友人Aの変貌に驚いて逃げ出したそうです。

バスが釣れる穏やかな場所に幽霊の話があるのもそうですが、
友人Aがありえない体験をしていた事に驚いた私は、
友人Aの目を見たまま何も言えないでいました。

ウソみたいだけど、釜房ダムから離れたら
体にまとわりついていた膜みたいなのが無くなって、
顔色も良くなってさ。

日本中のあちこち幽霊のウワサがあるけど、
実際にその場所に行っても何もないじゃん。

人と人に相性があるように、
そこにいる霊とも相性があって、
たまたま釜房ダムと俺の相性があったんだと思うんだ。

ただ一度でもこういう体験をすると、
話みたいに取り憑かれるのが身近な事に思えてさ、
それから妙なウワサがある場所には近づかないようにはなったよ。

この話を聞いてから私も、
釜房ダムで風が冷たかったりすると友人Aの話を思い出して、
妙に周囲を気にするようになってしまいました。

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