昼休みに、
ストレス解消の話題になった時のことです。

私は国道394号線を使って、
城ヶ倉大橋(じょうがくらおおはし)で渓谷の雄大な景色を眺めた後に、
酸ヶ湯温泉(すかゆおんせん)に入るのがストレス解消だと話しました。

秋葉原無差別通り魔事件の後に、犯人の親父かお袋のどっちかが、
城ヶ倉大橋で自殺した
って聞きいたことがありますよ」

後輩が思い出した話を受けて、
自殺が多いという話を聞いたことがあると言い出す奴も出て来る中で、
私はある出来事を思い出していました。

いつもなら日の光があるうちに、
温泉から帰っているのですが、
その日はのんびりと過ごしていて、
帰りの城ヶ倉大橋に差し掛かった時には、
随分と暗くなっていました。

国道394号線を走っているのは私の車だけで、
色の消えた渓谷の景色は、
見ているだけで寒々しく感じてしまいます。

私はエアコンの温度を調節する一瞬だけ、
前方から視線を逸らしたのですが、
視線を戻すと車の直前に白色の何かがありました。

とっさにブレーキを踏んだのですが、
白い何かはバンパーにぶつかって大きく曲がり、
車は白い何かの上を通り過ぎました。

突然の事なので、
それが何なのかははっきりと見えていませんでしたが、
衝撃や音が無く、大きさから白っぽい布かシートだろう
と私は思っていました。

私は車から降りて周囲を探したのですが、
車とぶつかった白い何かは何処にもありませんでした。

城ヶ倉大橋には自殺した幽霊が出る

その時は、
白い何かは何処かに飛んでしまったのだと思っていましたが、
もしかしたら私が見た物が幽霊だったのかもしれません。

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