夏休みも半ばが過ぎた頃に、何か夏らしい事がやりたいから、
卯辰山(うたつやま)公園にある解剖墓地に行こうとしたんですが、
友人のAが急に帰ると言って引き返す事になった時の話です。

解剖墓地は、金沢大学医学部の解剖用検体のための墓地で、
もちろん肝試しにどんな場所に行くかは伝えていて、
Aも「いいね、夏だねー」と、どちらかと言うと
乗り気だったんです。

私達が未成年だった頃の話なので、
昼間にそれっぽい所へ行くという肝試しだったのですが、
どうも訪れた場所が悪かったみたいです。

Aが感じた異変の最初は、
バスから降りた時に「今日は涼しいね」といった事だと思います。

私達はAが暑さに強いのを知っていたので、
私達にはいつもと変わらない暑さだけと、
Aには過ごしやすい温度なんだろうぐらいに思っていました。

解剖墓地に向かって歩いていると、
Aがときどき腕をさすっていると思っていると、
だんだんAが私達の一番後ろを歩くようになっていて。

体調が悪いのかなと思ったのと同時に、
Aは足を止めてギュッと自分の体を包むような姿勢をとり、
わりい、オレ帰るわ」と言って振り返ります。

私たちは慌ててAの所へ集まりますが、
この暑い時期にAの腕には鳥肌が立っていました

解剖墓地に進むたびに冷えて行ったから、
Aはたちの悪い風邪を引いたのかもしれないと思ったらしいのですが、
バス停に戻る頃には体の異変は消えていました

私はAの体が解剖墓地行くのは駄目だと、
危険信号を伝えていたのではないかと思っています。

後で知ったのですが、
卯辰山からは多くの人骨、
それも女性の骨ばかりが見つかって
いて。

それは長崎から追われた、
キリシタン殉教者の骨
だそうで。

江戸時代には立ち入りが禁止されていたり、
一揆がおきて首謀者が殺されたという話や、
警察や消防の殉職者の慰霊碑もある山でした。

卯辰山公園から金沢の街を見下ろす夜景が評判なのですが、
私はこの時の出来事から昼間でもできれば近づきたくありません。

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