今から5年ほど前の話になります。
私は千葉県イクスピアリ内にある
噴水前のお店で販売員として働いていました。

そのお店の前は広場のようになっていて、
小さな噴水があり、日曜日などは子供たちが
水を触ったりして遊ぶようなこともありました。

その日は、朝から雨が降っていて、
小雨ではありましたが人通りが少なく、静かな日でした。

お客さんも少なかったので、
その日はお客さんに対しても丁寧な接客が出来るような感じでした。

お昼も過ぎて、午後3時ころだったと思いますが、
ご婦人と5歳くらいの男の子が入店してきました。

ご婦人がお買い物をしている際、
男の子は店内にあるおもちゃで遊んでいたのですが、
飽きてしまったのか店内をウロウロしはじめ、
じーっと店の前の噴水を見ていました。

すると、大きな声で「おばあちゃん!おばあちゃん!」と呼びました。
呼ばれたご婦人はたいして気にも留めず、お買い物に夢中。

「はいはい」と返事だけしてその子の方を見ていませんでした。

男の子は「おばあちゃん!」と言って
ご婦人のそばに寄ってきて、服をひっぱり、こう言いました。

ねぇ。おばあちゃん。見てよ。あそこに人が沢山いるよ。
何をしているんだろう?ねぇ。何しているのかな?

ご婦人はやはり気にすることなく、
「なにしているのかね」なんて言っていました。

あまりにもしつこいので、私は男の子の指さす方を見てみました。
しかし、噴水の周りは誰もいません。歩いている人すらいないのです。

でも、男の子は
噴水の周りに人が沢山集まっている。何をしているのか知りたい
と言うのです。

どういう人がいるのか、
その中には自分と同じくらいの子供もいると男の子は言い、
ご婦人にそこに行きたいと言いましたが、
ご婦人は話を真面目に聞いていないにもかかわらず、
そこに行ってはいけない。と言っていました。

ご婦人の気を引くための虚言とも思えず、
私は店のスタッフと顔を見合わせて「怖い」と思いました。

それから私の勤めていたお店はその場所から撤退しましたが、
その噴水の前の場所に出店するお店はことごとく閉店に追いやられています。

不景気とはいえ、何か不思議な力が
働いているのかもしれないと思っています。

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