広島県原爆ドーム心霊スポットかどうか不明ですし、
このことが恐怖体験談になるのか分かりませんが、
私の身に実際起きたことを綴っておきたいと思います。

今から、11年ほど前のことでした。
某通信教育の彫刻のレポートで仮想彫刻をどこに建てるか
というテーマをもらって、私は、原爆ドームにしよう、
そこに私の祈りの彫刻を建てようという計画を練りました。

そのためには、原爆ドームを自分の眼で見て、そして絵を描き、
その仮想空間に自分の彫刻を描きこまなくてはなりませんでした。

デッサンを兼ねて、どうしても原爆ドームの詳細を見ることが必要と、
私は広島で教養講座の試験を受けに行った足でドームまで足を延ばしました。

広島駅からバスに乗り、原爆ドーム前で降りた時から、
何か私の感情は変でした。

意味もなく、涙が流れてくるのです。
ここが、どんな場所か知っているはずでしたし、
そのためにこの場所を選んだつもりでした。

しかし、それでも、私の意思と無関係に
涙は自動仕掛けのように流れてくるのでした。

それは、悲しいとか切ないとか思う私の感情とは、異なる何か……
つまり、私自身が流している涙というのでなく、
誰かか私の体を通じて泣いているという感覚でした。

その時から変でしたが、私はレリーフをこの建物に建てるという
当初の計画を実現しなければなりませんでした。

その作業に入ると、私は自分のすべき仕事に没頭しました。
軽くデッサンをし、何方向からも詳細な写真を撮りました。

私は原爆ドームの内側がどうなっているのか知りたく、
本来ならこんな好奇心はないのでしょうが、
なにせ、課題を提出しなければならないので、
ドームの内側を撮るために、柵の上から身を乗り出すように写真を撮りました。

普通は、こんな撮り方をしないでしょう。
けれど、いろいろな角度からのドームの写真がほしかった私は、
ドームの内側まで写真に納めたのでした。

その時は何も感じませんでした。夢中だったので分からなかったのでしょう。
寝不足でしたが、帰り道でも何ともなく無事に帰宅しました。

けれど、数日経って写真を焼き増しして驚きました。

何と、原爆ドームの建物の内部の壁には、はっきりと男の人の顔が写っていたし、
真ん中あたりに立っている女性の姿もぼんやりと写っていました

それ以外にも、いろいろな影がありました。
その後、私は、帯状疱疹になり、その一年半後、甲状腺疾患の病気になりました。

今まで、このことは私の過労だと思っていましたが、
もしかしたら、霊の障りだったかもしれないと今頃になって思っています。

その写真は邪険に捨てられず、今でも家のどこかにあると思います。

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